「いや、実を言えば私は安心したよ。」
シリウスは紅茶を飲みながらそうもらせばレンは首を傾げた。
そんなにギルの事を気にかけていたのだろうか…。
「この屋敷に来て中に入れば、昔と変わりはしないが…埃が凄くてね。」
研究室とか…といろんな部屋の名前を言えばレンは溜息を吐く。
「私、あの部屋に入った事ないもの。自分の部屋と書物庫と此処以外全部。」
レンのその言葉にシリウスは唖然としており、その様子がリーマスはおかしくて仕方ない様子だ。
「私がこの屋敷に来た時は、まだシャルが居たからね。どこも綺麗なものだった。私が教職に就いて家を空けるまでは、ドビーというシャルのお友達の屋敷しもべがお掃除に来てくれていた様だが…そういえば今年は来ていないみたいだね。私の部屋も埃が凄かった。」
帰って来て初めにする事が掃除だったとリーマスは笑った。
「杖を一振りすれば良いじゃない。」
レンはさらりと言ってのけたが、それにシリウスはまた唖然とし、リーマスがまた笑い出す。
「あ、そういえばレン、プレゼントだ。」
シリウスはそう言い黒いマントらしき物をレンに手渡せば、レンはそれを受け取り広げる。
裾がジグザグに切られており、山になっている部分の先端に三日月のマークと星のマークが交互につけられている。
そのマークはシルバーで出来ているようで、手に持てば少し重い。
「アクアが作っていたものだ。研究室で埃をかぶっているより、お前に使ってもらいたいはずだと思ってね。それと研究室にあった書物関連も書物庫に移しておいた。」
「怒られるわ。」
「怒りはしないさ。もしアクアが怒ったら私がアクアを叱る。」
その言葉にリーマスは何かを思い出したのだろう、楽しそうに笑った。
「それはね、特殊なマントで、つけた者の体重を少しだけ軽くしてくれる。高い所へ飛び移る時とかには最適だろうね。アクアは、太ったとシリウスがからかったのが原因でそれを研究し始めたんだ。」
「羽根のように軽くなってやるんだから、覚悟して待ってなさい!二度と太ったなんて言わせないわ!…と、それはもう素晴らしい形相で怒鳴られた。」
シリウスの言葉にレンは思わず吹き出し笑ってしまった。
母が幸せで元気に過ごしていた時の話を聞くのは本当に楽しい。