「おやアーサー。これは驚いた…貴賓席の切符を手に入れるのに、何をお売りになりましたかな?お宅を売ってもそれ程の金にはならんでしょうが?」
「アーサー、ルシウスは先頃聖マンゴ魔法疾患障害病院にそれは多額の寄付をしてくれてね。今日は私の客として招待なんだ。」
ルシウスのあんな言葉は何も聞いていなかったファッジがそうアーサーに説明をする。
「それは結構な…。」
アーサーは無理に笑顔を取り繕った。
ルシウスはハーマイオニーを見れば、皮肉を込めた笑みを浮かべてからアーサーに睨むようにしながら会釈をし自分の席へ向かった。
レン達も直ぐに席に着けば、レンの両脇はアーサーとファッジだ。
それを見たジョージはアーサーを呼び小声で何か呟けば、アーサーの席に戻ってきたのはジョージで、「ちょっと失礼。バイキンが気になってね」とウインクしながら耳元で言い、ファッジの見えないところで手を取り、ルシウスが口付けした部分をなにやら布でゴシゴシと拭き取っており、その嫌味な行動に隣に座っていたハリーがニヤリと笑った。
「大臣。そちらに居るのは、どなたです?」
レンは甲を拭き取っているジョージを気にもしない様子でそうファッジに声をかければ、ファッジは不思議そうに辺りを見渡す。
「あの屋敷しもべの事かね?あれはバーディ・クラウチのところの屋敷しもべのだよ。彼の席を取っているんだろう。」
高い所が苦手なのだろう、両手で目隠しをしたまま椅子に座っている屋敷しもべを見ればファッジはそう言う。
「いえ…その隣の…」
「誰も座ってはおらんが?ちょっと人混みに酔われたのかな?」
ファッジはそう笑みを浮かべて視線を元に戻した。
だが、レンにははっきりと見えていた。
そう…少しソバカスがあり色白の薄茶の髪をした男性の姿が…。
「ジョージ…貴方も見えないの?」
そうジョージに小声で聞けば「屋敷しもべが1匹いるだけだ」と言った。
「本当に人混みにでも酔ったか?大丈夫?」
「んー大丈夫。」
其方の方を見てばかりいれば、ジョージは気になった様子で心配そうに声をかけるのでレンはそれ以上気にするのを止めた。