第7話
「レディース・アンド・ジェントルメン…第422回クィディッチ・ワールドカップ決勝戦へようこそ!」
ソノーラスという呪文をバグマンは自分の喉に杖をあてて唱えると、彼の声が満席のスタジアムに響き渡る。
するとスタジアム中から歓声と拍手が沸きあがる。
何千という国旗が打ち振られ、互いにハモらない両国の国家が騒音を更に盛り上げている。
「さて、前置きはこれくらいにして、早速紹介しましょう…ブルガリア・ナショナルチームのマスコット!」
何だろうと思い其方を見れば人の様だ。
「ヴィーラだ」
ヴィーラと呼ばれたそれは、白い肌とシルバーブロンドの長い髪をなびかせている女性で、ざっと100人ほど居る様だ。
だが彼らを見れば男性達は、ウットリとした表情になり…踊りが始まる前に大人の男性達は手で耳栓をした。
踊りを見ていくうちに「あれが世界で一番美しく我が愛しの人」そんな表情に変わっていく耳栓をしていない子供達。
レンはそれを見ていれば、なぜだか胸の辺りがモヤモヤとし皆の耳を塞いでしまいたくなったが、大臣の目の前で…そう思いとどまり時が過ぎるのを待った。
「ある意味、服従の呪文みたいね」
音楽が止み、子供達はぼーっとした表情で椅子に座ると、ロンは三つ葉のクローバー…シャムロックを毟っているのを見てレンは呟く。
「なに、妬いてるのか?」
それを聞いていたジョージはニヤリと笑い言えば、レンの顔は少し紅くなった。
「そんなのじゃないわよ…何にヤキモチを妬かなければいけないの?」
あのモヤモヤはヤキモチなのだろうか…?
そう思いながらも、どこか認めたくなくてつい強がってしまった。
「貴女もヴィーラに引けをとらぬ程、お美しいですよ、プリンセス。」
大臣は少し気取った様に言えば、レンは耳まで真っ赤にし「揶揄わないで下さい。」と俯いてしまう。
するとファッジは笑い、ジョージはなにやら敗北感を感じているような顔をしている。