ヴィーラが怒鳴りつけられている間にレプラコーンは「ヒー、ヒー、ヒー」という文字に変化させ、次にブルガリアが反則を行った時は、手の形で下品なサインをして見せたのだ。
これに怒り狂ったヴィーラの姿は、顔は伸び、鋭い獰猛な嘴そした鳥の頭に、鱗に覆われた長い翼が肩ら飛び出している。
「良く見ておきなさい。何事にも外見だけに騙されちゃいけないんだよ。」
アーサーは自分の子供達にそう教えるように言った。
だがマスコット達の騒動はまだ終らない。
ヴィーラはそのままの姿で炎の塊をレプラコーンに向かって投げつけたり、ヒートアップしているのだ。
審判もそれを止めるのに夢中だったのだろう…アイルランドのビーター、クィグリーが目の前を通るフラッジャーを大きく打ち込みクラム目掛けて力の限りっ叩きつけ、クラムは避けそこないブラッジャーが顔に命中。辺りに血が飛び散るのを見ていなかったのだ。
「「リンチをみて」」
ハリーとレンの声がハモリ周りの人達はその声に従うように、そちらを見る。
アイルランドのシーカーが急降下していたのだ。
観客の半分が事態に気付いたらしく、アイルランドのサポーターが緑の並のように立ち上がり、チームのシーカーに大声援を送っている。
クラムもそれに気付き、出遅れたが今はぴったりとリンチに並び、その道を彼の血が転々を尾を引いて示している。
レンはその様子が痛々しく見ていられなくなり、無意識にジョージの腕を抱き締めそこに顔を埋めてぎゅっと瞳を閉じれば、直ぐにジョージの声が耳元に聞こえる。
「取った!クラムがスニッチを取った!」
それに顔をあげれば、赤いローブを血に染め、血糊を輝かせながら、クラムはゆっくりと舞い上がり高々と突き上げた拳のその中に、金色の輝きが見えた。
「アイルランドの勝ち!クラムがスニッチを取りました!しかし勝者はアイルランドです!…何たること…誰がこれを予想したでしょう」
「俺達が言った通りだった!」
ジョージは賭けにかったと席を立ち上がりフレッドと大喜びだ。