第9話
テントに着けば、レンは椅子に座り、杖を握ったまま机に突っ伏した。
死喰い人が襲ってくる…そんな心配はレンにはなかった。
ヴォルデモートが姿を消してから探しもせずに「あの人に操られていた」と逃げ、生き延びてきた連中の集まりが今まで主の印など空に浮かべる事など無かった。
と、すればこの騒動に怒りを露にした、ヴォルデモートの忠誠な僕が空に打ち上げたのだろう。
逃げた彼らが、そんな主のマークをみて、その場に留まり続ける筈がない。
もし本当にそこにヴォルデモートがいれば、自分達はただでは済まないのだから…。
それよりもハリーやロン、ハーマイオニーの事が心配で堪らなかった。
あのマークを出した人物の側にハリー達がいたら…?
だがあれから一言も話さず顔色が真っ青でショック状態のこの人達をここに置いていくのもまた心許無い…
どうすれば良いんだろう…こんな時、シリウスやリーマスならどうするのだろう…?
「レン…大丈夫か?」
「平気、考え事をしていただけだから…。」
「でも顔色が悪いわ…。」
「力を使いすぎたのかも知れないわね。大した事はないわ。」
そう言い笑めば、また其処には沈黙が流れた。
「皆、居るか!?」
そういって入ってきたのはビルとチャーリー、そしてパーシーだった。
ビルは腕に大怪我を負っているし、チャーリーの服も大きく破け所々出血しているし、パーシーは鼻血を流している。
「良かった無事で…。」
「ビル、チャーリー、パーシー座って。傷を癒すわ。」
先に怪我の酷いビルを治療しようとすれば、ビルは先にチャーリーをと言い、レンはそれに従いチャーリーの治療を行う。
幸い大きな傷ではなかったので、直ぐにその傷は癒え、チャーリーはお礼を言った。
「それじゃ、俺は他の子を探してくる。」
チャーリーはそう言うとテントを出て行き、レンは次にパーシーの鼻に手を翳し瞬時に治療すればビルの治療にかかった。
レンはビルの傷の上の辺りをタオルで縛り止血をすれば、深呼吸をしてから傷口に手を向け淡い光が包み込んでいく。