「ねぇ、ウィンキーって…貴賓席にいたあの屋敷しもべ?」
レンはまだ術を続け、傷口から目を放さない様にしながら言えば、ハーマイオニーはそうだと答えてくれる。
「それで闇の印の呪文を唱えたのは確かに男の人の声だったのね?」
「うん。僕達はっきりと聞いたんだ。あれは屋敷しもべの声じゃない。」
そう確認するレンをアーサーは不思議だったのだろう「何か知ってるのか?」と聞けばレンは小さく頷く。
「貴賓席でウィンキーの隣に男が座っているのを見たわ。色白で少しソバカスがあって薄茶の髪をした男性。信憑性にかけるわね…他の人は見えていないみたいだったから…。もしかしたら透明マントか目くらましの魔法でもかけていたのかもしれないわ…。」
それを一応報告させてもらっても言いかい?とアーサーに聞かれ、レンは大きく頷いた。
「ねぇ、誰か…あの髑髏みたいなのが何なのか教えてくれないかな?」
ロンが待ちきらない様に言った。
「別にあれが悪さをした訳じゃないのに、どうしてそんなに大騒ぎするんだ?」
「言ったでしょう、ロン。あれはあの人の印よ。私「闇の魔術の興亡」で読んだわ。」
アーサーはゆっくりと口を開き闇の印について教えてくれる。
今まで13年間現れる事のなかったその印…以前はヴォルデモートも、その家来も、誰かを殺す時に、決まってあの闇の印を空に打ち上げ、魔法使い達は帰宅する度に恐怖に脅えていたのだ。
レンはやっとビルの傷を癒し終え杖を一振りし、そこに包帯を巻きつけた。
「無理をすれば直ぐに開いてしまうわ…応急処置にしか過ぎないから後でちゃんと手当てをしてね。」
そう耳元で小さく呟けば、ビルは有難うという意味を込めてレンの頭を撫でてくれた。
「まぁ、誰かが打ち上げたかは知らないが、今夜は僕達の為にはならなかったな。死喰い人達はあれを見た途端怖がって逃げてしまった。誰かの仮面を引っぺがしてやろうとしてもそこまで近付かない内に皆姿くらまししてしまった。ただ、ロバーツさん達は助ける事が出来、今記憶修正をしている最中さ。」
「死喰い人って何だっけ?」
ハリーは確か聞いた覚えがあったけど…と首を傾げると、ハーマイオニーが「闇の陣営…アイツの手下の事よ。皆自分からそう名乗っているの。」と教える。