第10話
それから1週間、何事もなかったかの様に時は流れた。
何度かリーマスにチェスの勝負を持ちかけたが、勝つ事は出来なかった。
「もう!少しは手加減して頂戴。」
レンは既に操る駒に信用されずに「そっちへ行くのは嫌だ。」と抵抗される程になっていた。
それをリーマスは楽しそうに笑いながら「これでも手加減してるんだけどね。」とレンを揶揄えば、レンは小さく頬を膨らませたが、リーマスは楽しそうなので、自分も小さく笑った。
そうしていれば、1羽の大きめななにやら包みを持ってやってきては、目の前のテーブルにそれを落とす。
「なにこれ。」
レンは宛名も書かれていないその包みに小さく首を傾げる。
「開けてごらん?」
リーマスはそれが何か判っているのだろう、ニッコリ微笑みそう言えば、レンはゆっくりとそれを開く。
中に入っていたのはドレスローブだった。
淡い色のドレスで、細かに刺繍がされており、ヒラヒラのスカート部分には濃いめの色でアクセントがつけられている。
背中は大きく開いているが、その代わりに腰の部分にリボンが付いており、大人すぎず子供過ぎず素敵なドレスだ。
「は?」
レンはなぜこんなものが贈られてくるのかが判らずそう言えば、リーマスは声をあげて笑う。
「レン、ホグワーツからの手紙をちゃんと読まなかったね?」
今年はドレスローブを各自用意してくれと書いてあったよ。とリーマスが教えてくれる。
「これ、リーマスが??」
「私とシリウスからだ。」
「有難う、リーマス。」
笑みを浮かべてお礼を言えば、リーマスは笑みを返してくれる。