「あぁ、そうだね。帰りを楽しみに待っているよ。…さ、気を付けて行っておいで。」
「行ってきます、リーマス。」
そう微笑みを浮かべて言うレンをリーマスも笑みを浮かべて見つめ、彼女がギルにもお別れを言い終えればパチンという音と共に姿を消してしまう。
リーマスは、その姿が彼女の母親の様に、もう二度と此処に戻って来ない様な…そんな言い表せない不安が襲っていた。
レンは列車の中程に開いているコンパートメントを見つけ、そこに荷物を入れて窓際の席でボーッと人々を眺めていた。
親と別れを告げている人が多くいる…それを1、2年の時は羨ましくも思ったのだが、今の自分はそうとは思っていなかった…。
リーマスやシリウスが居る。親とも思える程に大切な家族。
シリウスは元気にしているだろうか…?
「レン!もう来ていたのね。ご一緒しても良い?」
「どうぞ。」
コンパートメントに姿を現したのは、ハーマイオニーを先頭に、ロン、そしてハリーだ。
互いに挨拶を交わせば、網棚に荷物を乗せている。
「ママやビル、チャーリーが見送りに来てるんだ。レンも一緒に来なよ。皆レンに会いたがってるよ。」
ロンは笑みを浮かべながらレンを誘い、先に皆と一緒にコンパートメントを出て行く。
レンもそれに続こうと立ち上がった時、不意にコンパートメントの窓を叩く音が聞こえ其方を向けば、其処に居たのはルシウスだった。
「少々お時間を宜しいですかな?」
レンが窓を開ければ、ルシウスはそう冷たく言葉を放つ。
「今、其方へ行くわね。」
「いえ、このままで結構。」
そう言われれば、レンはそのまま座席に座り、それを確認すればルシウスは言葉を続ける。