「レン、何か食べる?」
ハリーが遠慮がちに声をかけてきたのは、昼食のワゴンカートが通った時だった。
「有難う。でも、要らないわ。」
レンはハリーがかけてくれたマントをすっぽりと頭からかぶったまま、其方を見ずに言葉を返す。
直ぐに返ってきた返事に少々驚きながらもハリーは何かを買って腰を下ろした。
「大鍋ケーキを沢山買っちゃったんだ…一緒に食べてくれないかな?」
そう言うハリーにレンは顔を出せば、一山抱えているハリーの姿にレンは少しだけ笑って頷く。
ハリーは、大鍋ケーキを切り分けてからレンに手渡してくれ、レンはそれをゆっくりと食べ始める。
ホグワーツ特急の中で食べるこの味がなんだかとても懐かしい…。
「気分はどう?」
「悪くはないわ。」
「さっきはどうしたんだ?真っ青だったぜ。」
ロンも同じ様に大鍋ケーキを食べながらレンにそう声をかけ、彼女は苦笑を浮かべる。
「そうね…もし私が死喰い人だったら、皆はどうするんだろうって考えてただけ。」
「レンは死喰い人にはならないよ。」
考えるだけ無駄だ。ハリーはキッパリとそう言い退ける。
「もし私がそうなったらどうする?」
「考え直してくれる様に説得するよ。ずっと。」
「そうだよ、僕らはレンに攻撃をするなんて出来ないし。」
「何か不安に思う事があったの…?良かったら何でも話してね?」
ロンとハリーは元気付けてくれ、ハーマイオニーは優しく声をかけてくれる。
それにレンはニッコリと微笑み「有難う。」と言葉を返した。