次第に汽車の速度が落ち始め、ホグズミードの真っ暗な駅に停車すれば、生徒は次々とコンパートメントから姿を現し、外へと出て行く。
ジョージはそのままレンを連れて列車を降り、豪雨の中を背を丸めて馬車まで走って行った。
この馬車を引いているゾンビの様な馬にももう慣れたもので、初めて会った時はとても驚いたのを思い出し苦笑すれば、馬の鼻を優しく撫でる。
そうしていれば直ぐにジョージに呼ばれてしまい、馬車に乗り込み、フレッドやリーと同じ馬車に乗り込んだ。
「皆びしょ濡れね。」
「こんな中、ボートで湖を渡るなんて、今年の1年はついてないよな。」
「ある意味貴重な体験だけどな。」
羽根の生えた猪の像が両側に並ぶ校門を通り、大きくカーブした城への道を、馬車はゴトゴトと進んだ。
風雨は見る見る嵐になり、馬車は危なっかしく左右に揺れてはいたが、生徒達を無事に正面玄関まで送り届けると、生徒達を降ろし馬車はどこかへと消えていく。
松明に照らされた玄関までの石段を一気に駆け上れば、皆そこで一息つく。
取り合えず髪を結い直していれば、ドバーッと大量の水が降り注ぎレンは思わず髪を結い直すのを諦め呆然とすれば、双子とリーは声を上げて笑ってしまっていた。
「私だけってずるいわ。」
巻き添いを喰らわせようと近くにいるリーに抱きつけば、リーは自分にくるとは思ってなかったのだろう、思わずレンと一緒に滑って転び、レンは可笑しそうに笑ってしまう。
「何してんだよ。」
レンに手を差し出したジョージは笑いながらそう言うも、レンはリーと顔を見合わせるとその手を取り2人で引っ張る様に体重をかけると、ジョージも滑ってレンの上に倒れる様に転び、レンは笑いが止まらない様だった。
慌てて身を起こすジョージに、今度はフレッドーと呼び飛び込んで来いと言わんばかりにレンが両腕を広げれば「任せろっ!」とフレッドはジョージとレンめがけて飛びかかり、レンはお腹が痛くなりそうだった。