第2話
次の日の夜、シリウスは宣言どおり、旅立つ為の少しの荷物を持ってバックビークのもとへ行き撫でている。
荷物を此処に置いて行くのは、また帰ってくるから全てを持っていく必要はない。
そういうシリウスの意思表示なのだとリーマスはこっそりと教えてくれた。
「ギル、レンとリーマスを頼んだよ。」
「お任せくださいませ、シリウス様!私はお帰りをお待ちしていますで御座います!」
それにシリウスは少しだけ笑みを浮かべる。
「ムーニー、レンを頼んだ。」
「あぁ、パッドフット。こっちの事は心配しないで旅を楽しんでくると良い。ホグワーツにいる間はダンブルドアも居るしね。」
名付け親に恥じないようにするよ。とリーマスがいえばレンは驚いて2人を見ている。
「なんだ、知らなかったのか?」
シリウスの言葉にレンは首をコクコクと縦に振った。
「レンの名を考える時、アクアは私に決めて欲しいと言ってね。私はジェームズとリーマス、3人で色々と意見を出し合いながら考えたんだ。そして、名付け親をジェームズとリーマス頼んだ。あの頃はヴォルデモートの全盛期だったからな。どちらかに何かがあった時、もう1人が…とね。まぁあの時にワームテールが居なかった事、今になっては良かったと思ってるよ。」
シリウスは教えてくれ、レンを抱き締めれば、頬に口付けをしてくれる。
「親愛なる者と別れる時、こうするものなんだよ。」
シリウスはそう教えてくれ、レンも同じようにシリウスの頬に口付けをすれば、ゆっくりと離れ、今度はリーマスと抱擁を交わす。
「シリウス、いってらっしゃい。」
「気をつけてな。」
「行ってくる。…あぁ、レン。ハリーをよろしく頼んだよ。何かあったら直ぐに知らせてくれ。」
シリウスはそう言い残せば、バックビークに乗って見送られながら大空へと消えていく。
彼を見送れば、ギルは直ぐに姿を消し(良い屋敷しもべは姿を見られない事、という習慣が抜けないらしい)レンはシリウスが見えなくなってもまだその方向をじっと見つめる。
そのまま帰ってこないんじゃないか…もうあの微笑や優しい眼差しを見ることは出来ないんじゃないか…
そう不安感が胸から消える事がなかった。