「大丈夫。シリウスは無事に帰ってくるよ。」
「えぇ…」
「唯一心配な所といえば、食事面だけさ。」
そう少し冗談ぽく言い小さく笑みを浮かべれば、優しく抱き締めてくれ、それから室内に戻っていった。
「ねぇ、リーマス。ひとつ聞いて良い?」
「なんだい?」
「私の名前ってどうやって名付けたの?」
その言葉にリーマスは小さく笑う。
「境遇が境遇だ。万が一があってもその名前が希望になる様にと、意味のある名前にしようと思ってね、私達3人の願いが篭めたんだよ。異国にロータスという植物があるのは知っているかい?」
「いいえ、知らないわ。」
「アクアが花やら花言葉やらが大好きな人でね。アクアが好きな物から名前をつけようと考えたんだ。それでね、ロータスという植物は”ハス”と呼ばれてたりもするんだが…その文字は別の読み方があってね、古い魔法族の間ではその読み方の”レン”とも呼ぶ植物なんだよ。」
レンは始めて知った…と言いたげに目を丸くしている。
「その植物は、沼のような泥水の中から清浄な美しい花を咲かせる植物でね。私達はレンの取り囲む環境が例え沼地の様に汚れたものであったとしても、その花の様にそれに染まらず綺麗に咲き誇って欲しい。そう願いを籠めたんだ。」
レンは何処か恥ずかしくなってしまい、頬を赤らめながらも小さな声で「後悔はしてない?」と訊ねてみれば、リーマスは大きく頷いてくれた。
「名前の由来からしても、誰からも愛されず望まれずに産まれてきた…って事は間違っているって信じてくれるかい?」
「少なくとも、名付けてくれた時は3人から愛してもらえていたって事が解ったわ…その…なんか擽ったい感じ。」
耳まで顔を真っ赤にしてそう言えばそっぽを向いてしまうレンにリーマスはくすくすと笑った。
「花言葉には慈愛や清らかな心なんて意味もあってね、花に負けないくらいに育ってくれて嬉しいよ。」
なんてリーマスは言った所為で、私に似合わない!と真っ赤な顔をぶんぶんと横に振り、リーマスはそれを可笑しそうに笑っていた。