生徒の1人がレイブンクローへと走っていき、黒髪の可愛らしい女子生徒の近くへと座る。
それを見ていたハリーは少し羨ましそうにその様子を眺めているのを見て、なんだか胸の辺りがモヤッとしたのを感じると、レンは無理矢理視線を逸らした。
この気持ちはなんなのだろう…。
以前にリーマスが言った”ヤキモチ”という感情ならば、そんな物を抱くべきではないと自分に言い聞かせて首を横に振る。
「どうかしたの?」
「ううん…何でもないの。」
ハーマイオニーは不思議そうに首を傾げたが、レンの言葉に、1年生達に視線を戻し、式の様子を見守っている。
やっと最後の生徒の組み分けが終わり、マクゴナガルが片付け終えると、ダンブルドアが立ち上がり両手を大きく広げて歓迎し優しい微笑を浮かべる。
「皆にいう言葉は2つだけじゃ。」
先生の深い声が大広間に響き渡る。
「思いっきり、掻っ込め」
その言葉に皆、待ってましたと言わんばかりに瞳を輝かせ、ハリーとロンは大声で囃す。
目の前の空っぽの皿達が魔法で沢山のご馳走を山盛りにしていけば、皆食事を始めていく。
ハリー、ロン、ハーマイオニーは自分の皿に食べ物を山盛りにしているのを見つめ、レンは少し笑みを浮かべれば、適量を自分も皿に盛り食事を始める。
その様子をニックは恨めしそうに眺めていた。
「今晩はご馳走が出ただけでも運が良かったのですよ。」
そうニックが零せば、口に食べ物を入れたままハリーが「何があったの?」と尋ねた。
どうやらピーブスが厨房に入り、何もかもをひっくり返したりと、暴れたらしい。
原因は祝宴に参加したいという申し出を、他のゴースト達が反対した事による八つ当たりだ。
「厨房はスープの海…屋敷しもべ妖精がものも言えない程怖がって…。」
ガチャンという音がし隣を見れば、ハーマイオニーが金のゴブレットをひっくり返し、かぼちゃジュースがテーブルクロスにジワーッと広がっていくがハーマイオニーは気にも止めない。
「屋敷しもべ妖精が此処にも居るっていうの?…このホグワーツに?」
こんな人数の食事を用意したり寮や城の内部を綺麗に保てるのは、屋敷しもべがいる事を示していると簡単に想像はつくのではないだろうか…とレンは思ったが、どうもハーマイオニーの様子がおかしい。