「それじゃ、おやすみなさい。」
レンは皆にそう挨拶をし、寝室へと向かった。
自分のベッドにやっと辿り着けば、着替えを済ませてベッドに潜り込んだが、ハーマイオニーは部屋の色々な所へ視線を向けて、溜息を吐いている。
「どうかした?」
「貴女の家にも屋敷しもべ妖精はいるの?」
「居るわよ。私は屋敷しもべに育てられたもの。」
レンがそう答えれば、ハーマイオニーは少し瞳を丸くすれば、「お休みなさい。」と短く言い布団の中に潜ってしまった。
きっと屋敷しもべ妖精がレンの家にいた事が気に食わなかったのだろう…レンはそう思うと少しだけ苦笑を浮かべ、明日に備え眠りについた。
嵐は翌朝までには治まっていたが大広間の天井はまだどんよりとしていてレン達が朝食の席で時間割を確認していた時も、天井には重苦しい雲が渦巻いている。
4人から少し離れた席でフレッド、ジョージ、リーがどんな魔法を使えば年を取り首尾良く参考対校試合に潜り込めるかを討議しており、少しだけ聞えてくる彼らの言葉に、レンは思わず笑みを零した。
「やっぱり俺は…」
まだどうやって選手が選ばれるかも判っていないこの時期に…
そう思いながらも、こうして夢を追いかけられる事が、なんだか少しだけ羨ましかった。
ロンが時間割を見て嘆く声が聞こえ、そちらに視線を戻せば、月曜日の午前中は全て戸外授業で薬草学はハッフルパフ、魔法生物飼育学はスリザリンと合同…そして午後は占い学が2限続き…
この授業はどうしても好きになれない…占い学を教えているトレローニーが人の不幸を予言しては楽しんでいる(様にレンには見えてしまう)…そして1番の被害者はハリーだ。
何かある事にハリーの不幸を言い続けるのだから、本人も堪ったもんではないだろう。
「貴方達も占い学を辞めれば良かったのよ…私みたいに。」
威勢の良い声が聞こえ其方を見ればハーマイオニーがトーストにバターを塗りながら言っている。
「おーや、また食べる様になったじゃないか。」
ハーマイオニーがトーストにたっぷりとジャムを塗っているのを眺めながらロンが揶揄えば「しもべ妖精の権利を主張するにはもっと良い方法があるって判ったのよ」と誇り高く言っているのに対し、ロンが更に揶揄うが、ハーマイオニーの口が開くより先に、梟便の羽音によってそれは遮られた。