「あ、そうだ。ちょっと付き合ってもらって良いかしら?」
時間は大丈夫?と首を傾げ尋ねれば、セドリックの返事はYes。
レンはハリー達に先に行っててと伝え、グリフィンドール寮の方へとセドリックと共に歩いていく。
「セドリックは立候補するつもりなの?」
「ん?」
「トライウィザードトーナメントよ。」
「あぁ…どうだろう…まだそんなに考えている訳じゃないんだ。でもチャンスがあるのならしてみようかな。」
きっと選ばれないと思うけどね。そう苦笑しながら言うセドリックにレンはなぜか言い知れない不安が襲う。
出来ることならばセドリックに立候補してもらいたくない…そう思ってしまった。
「男の子ってそういうのに興味が惹かれるものなのね。」
「どうだろう…確かに自分の実力を試してみる機会に惹かれる人も少なくはないと思うけど。」
セドリックは少し考えながらそう答え、続きを話し始める。
「でも女性だって例外じゃないと思うよ。レンがもし立候補できるのなら、してみるかい?」
「私は…しないわ。他に戦うべきものがあるから。富も栄光も興味がないの…ただ皆が幸せで居てくれればそれで良いわ。」
キッパリとそう言えば、セドリックは自分より大人な考えだと感心してみせた。
それからその話題で会話を続けていけば、直ぐに談話室へと着いてしまい、レンはセドリックに待っている様に伝え、寮の中へと入っていく。
次にセドリックの前に姿を現したレンの手には、以前借りたままのマントが抱き締められていた。
「いつでも良いのに。」
「ううん。このまま忘れてしまいたくないから。」
今まで有難う…そう伝えて返せば、セドリックのカバンから新聞が飛び出しているのに気付き首を傾げる。
「ああ、これかい?…酷い新聞さ。」
そう言いながら手渡され、レンはそれを受け取り目を通しながら来た道を戻るように歩いていく。