第16話
だが、授業が終わるとワッっと、まるで凄いショーを見た後の様にお喋りが始まる。
「先に行くわ。」
こんな空気は耐えられない…。
人の命を、人生を左右する呪いを見せる事が、素晴らしいショーとは思えずに、ハリー達にそう伝えれば足早に教室を後にする。
「大丈夫か?」
教室を出て、少し外の空気を吸ってから戻ろうと違う道へと歩き始めた時、背後からムーディに声をかけられレンは振り向く。
「大丈夫です。」
しっかりとそう答えればムーディは満足そうに頷いてみせる。
「話がある。先にワシの部屋で待っているように。」
いいな?と言われ、レンは渋々頷き、去るムーディを見送りムーディの部屋まで来れば、既に其処は鍵が開いていた。
あのムーディにしては無用心に思えたがレンに「先に行け」と言ったのだ…
レンが来るのが判っていて空けておいたのかもしれない。
レンはゆっくりと扉を開き中に入る。
沢山の魔法の道具…大きな箱…色々な物が目を捉えて放さなかった。
突如大きな箱がガタガタガタッと振るえ、中から男性の声のようなものが僅かに聞こえる。
それに驚きながら近付きそれに手を触れようとした時…
「その中には手を出さん方が身の為だ。中に何が入っているのか言っても信じはせんだろうがな。」
そう声が聞こえ其方を見れば、其処に居たのはムーディとネビルだ。
「さぁ、座るが良い。」
ネビルは脅えながらそう言われた椅子に座り、ムーディが用意してくれた紅茶を飲み、他愛もない会話を始める。
「ロングボトム。お前は薬草学がとても得意だそうだな。スプラウト先生が言っていたぞ。」
青褪めているネビルの顔がきょとんとしたかと思えば、少し恥ずかしそうに紅くなる。
「自信を持て。何も謙遜する事はない。」
ムーディはそう言うと、何処からか1冊の本を取り出し、それをネビルに差し出した。