第17話
その沈黙を破ったのは4人のうち誰でもなく、トントンと軽く窓を叩く音だった。
「ヘドウィグ!」
ハリーは叫ぶように名前を呼び、椅子から飛び出して窓に駆け寄り、バッと空けた。
ヘドウィグは中に入ると、部屋をスイーッと横切って飛び、テーブルに置かれたハリーの予言の上に舞い降りた。
「待ってたよ!」
ロンも興奮をし「返事を持ってる!」とハリーに読む事を促せば、ハリーは急いで、手紙と思える薄汚れた羊皮紙を解き、座って読み始めた。
『ハリー 直ぐに北に向けて飛び立つつもりだ。数々の奇妙な噂が此処に居る私の耳にも届いているが、キミの傷痕の事はその一連の出来事に連なる最新のニュースだ。また傷む事があれば、直ぐにダンブルドアの所へ行きなさい…風の便りではダンブルドアがマッド-アイ・ムーディを隠居生活から引っ張り出したとか。という事は他の者は誰も気付いていなくとも、何らかの気配をダンブルドアが読み取っているという事なのだ。また直ぐに連絡する。ロンとハーマイオニーによろしく。同封の手紙をレンに渡してくれ。ハリー、くれぐれも用心するよう。 シリウス』
ハリーはそこまで読むと、手紙の裏に2つ折りにした羊皮紙がある事に気付き、それをレンに手渡した。
レンはそれに首を傾げ受け取れば、シリウスの文字が綴られている。
『レン キミから無事を知らせる手紙を読み安心をした。だが、良からぬ事が起きようとしている…いや起きているのは確かだ。奴らは必ずハリーを狙うだろう。ハリーを頼む。何かあれば直ぐに知らせてくれ。だが無理はしないよう シリウス』
そう手紙を読めば、3人はなんて書いてあるのかとレンに視線を向けているのに気付きレンは少し息を吐いてから話し始める。
「新聞にクィディッチワールドカップの事が書かれた時、皆無事だって手紙を送ったの。それに対して、安心したって。良くない事が起きようとしていると思うから用心する様に…それだけよ。」
ハリーに危険が迫っているという、シリウスの心配を伝えるべきではないと思ったレンは、皆にそう伝えると手紙を折り畳む。
ハーマイオニーもロンも当惑した様な表情だが、ハリーは1人自分を責めている様に額の傷痕を叩き始める。
「ハリー…」
その手を掴み止めさせると、ハリーはレンの事を後悔の念に満ちた瞳で見つめる。
「シリウスに言うべきじゃなかったんだ…手紙の所為でシリウスは帰らなくちゃならないって思ったんだ!」
そう言うと、ハリーはすっと立ち上がり、ヘドウィグに少々八つ当たりをしてから寝室へと戻った。
その姿をロンもハーマイオニーも心配そうに見つめ、見送っている。