「大丈夫。シリウスは掴まらないわ…私の屋敷へ何時でも入れる様にしてあるし、シリウスは杖も持っているもの。」
「ダンブルドアは何を感じているんだと思う?」
「死喰い人…もしくはヴォルデモートが動いている…という事…かもしれないわね。」
その後少しの沈黙の後、皆はそれぞれの部屋へと帰って行った。
翌朝、梟便の訪れを眺めていれば、ハリーがシリウスに傷痕が痛んだのは気の所為だったと手紙を送った事を話してくれた。
だが、ハーマイオニーは、勘違いじゃなかったのは知ってる癖にと厳しく言ったが、ハリーは自分の所為でシリウスがアズカバン送りになんかさせたくないという意見だ。
レンは自分宛に届いた1通の手紙の封を切り、中身を確認しながら話を聞いていたが、ふと言葉を漏らす。
「シリウスなら大丈夫よ。」
「何でそんな事が言えるんだ?」
「信じているもの。シリウスは逆戻りになる程弱くもないし賢い人よ。杖も持ってるし…それに…」
先程の手紙を3人に見せれば3人の目が驚きを隠せない表情へと変わる。
そう…その手紙の内容は、魔法省からのシリウス捜索願い。
クレスメントの力で、シリウスの居所が判らないだろうか…?という内容のものだ。
「念の為にシリウスが戻ってきそうなルートとは真逆の場所を書いておくわ。」
南から北へと向かうシリウス…ならばこの場所から東か西の方へシリウスらしき力を感じると書いておけば鉢合わせる事もないだろう。
レンのこの行動を聞いて、ハリーは少し安心した様に見えた。

それから数週間、ハリーの元にシリウスからの手紙が戻ってくる事はなく、それがハリーの心配を煽っている事は確かな様だった。
事実ハリーは梟郵便がつく度に梟達を見渡し、毎朝寝不足の様な表情をしている。
ハリーの心配が募るのと比例する様に、授業の方が難しくなってきた。
特に闇の魔術に対する防衛術がそうだった。
驚いた事にムーディは1人1人に服従の呪文をかけて呪文の力を示し、果たして生徒がその力に抵抗できるかどうかを試すと発表した。
「でも…でも、先生。それは違法だと仰いました…たしか、同類である人にこれを使用する事は…」
「ダンブルドアがこれがどう言うものかを、体験的にお前達に教えて欲しいというのだ。もっと厳しいやり方で学びたいというのであれば…誰かがお前にこの呪文をかけ、完全に支配する、その時に学びたいというのであれば、ワシは一向に構わん。授業を免除する。出て行くがいい。」
ムーディは、杖を一振りし、教室の中央に広いスペースを作り、ハーマイオニーの発言に厳しく言った。