「ほら、俺達が賭けをしたのを覚えているか?」
「クィディッチワールドカップで、だ。」
「えぇ、覚えているわ…貴方達の予想通りクラムはスニッチを取ったけど、その試合では負けた…でしょう?」
あのジョージが色々と説明してくれたお蔭で楽しめた試合…
あの試合を思い出せば、良い思い出だ。
「あぁ…そして奴さんにたんまりと賞金を貰った。」
フレッドもジョージも顔を顰めると、レンはそう言うことかと、彼らの話そうとしている事が判った気がした。
「レプラコーンだったのね?…要は騙されてトンズラされたと…」
2人は小さく頷いた。
「俺達は始めは間違えたのかと思ったんだ…」
「手紙を書いたが、奴さんは受け取り拒否してやがる。」
「俺達を避け続けてるみたいだ。」
「だがこのままで諦めがつく筈がない。」
「あれは俺達の夢が詰まった全財産だしな。」
レンは最初に感じていた嫌な予感が的中したのだと思い小さく溜息を吐いた。
だから賭けは止めた方が良いと止めたのだと言いたかったが、2人が真剣に悩むその姿を見ては言えもしなかった。
「判ったわ。私で出来る事があれば協力する。貴方達の世界を笑顔にしてくれる様な夢の為だもの。」
自分を慰めてくれる時に話してくれたジョージ達の夢。
本当に素晴らしいものだと思ったし、出来る事があれば協力もしたいと思ったのも事実だ。
もし万が一…といってもほぼ確実にそうだとは思うが、バグマンが払う気がなく逃げ続ける様なら、自分が彼らの夢に賭けてみようと思った。
自分には使い道のない財産が、人々の笑顔の為に使われるのならば、これ以上に素敵な事はない。
だが、はっきりとそれを伝えて受け取る筈もない…その時が来るまではレンは言わずに胸の中にしまっておこうと思った。