目覚めたときに感じた鼓動。 ミュウツーさんは私を見つめていた。 防御壁 「……」 「(…)」 私はのそりとその場に起き上がると、いつの間にか眠ってしまっていたらしい自分の周囲の状況に目を遣った。 どうやら、ここは塔の中のよう。 姿は消しているけれど、ミュウツーさんも傍にいてくれた。 「お前は…いつからここにいる」 「?」 そうして、視界のぼんやりが晴れるのを待っていたとき、突として落とされた声。 振り返れば、そこには一人の少年が立っていた。 その後ろには二人の男女。 私は、小首を傾げると、こちらに近づいてきた赤毛の少年をじっと見つめた。 「面白い。俺たちよりも先に到着している奴がいたとはな」 「ちょっとガーラ。そんな奴放って置こうよ」 「うるさい。俺に指図するな」 「……ごめん」 仲間の言葉に振り返ることなく近づいてくるその人。 私は彼が目の前に佇んでも、視線を逸らすことなくただ見つめた。 「質問に答えろ」 「…え、と」 「いつからここにいる」 「…寝て、いたので…」 「…」 「…」 「覚えてないです」、そう伝えると、なぜか落とされた沈黙。 目の前の少年は私をその瞳に捉えては、ただ何も言わずに私を見つめていた。 …どうしたらいいんだろう。 私はさらに首の角度を深めそうになった。 けれど、それはミュウツーさんの手に阻止されてしまったらしい。 ミュウツーさんは私の小脇に手を突っ込むと、私にその場に立ち上がることを余儀なくした。 ?どうしたんだろう。 私はされるがままの宙ぶらりん人形になってしまった。 「ちょっ、ガーラ!」 「待て、テマリ」 そして、そんな私の行動を懐疑に思ったのか、その赤毛の少年が私に手を伸ばしてきた。 ?何か用だろうか。 伸びてくる手を茫然と見つめてしまう。 人形のように凍りついた表情にあるのは、ガラス玉のように無機質な水晶体。 そこに映り込む自分の姿もどこか人形じみていた。 彼の手が伸びてくる。 あと、数センチ―――でも、その手が私に触れることはなかった。 「……っ」 「え」 ミュウツーさんに支えられた身体。 ごく自然に、けれど不自然なほどきれいにその少年の手を躱した私の身体。 塔の入り口まで歩いていくと、一瞬にして森の中へと消えていった。 私は寝ぼけ眼の中、正直何が何やらと、先の状況のことを一切覚えていなかった。 (ミュウツーさん?) (「…」) (!おきる、おきるね)