「よォ」 「やっと来たか」 「ところでサスケ、ルカには会えたか」 「は?ルカ?」 「そうか。ま、気にするな。俺がちゃんと愛のプレゼントを贈っておいたから」 「…愛?何を言ってる」 見通す 中忍試験本選までの一ヶ月という猶予期間。 私は、この一週間暇を持て余していた。 病院から戻った次の日、私は不知火先生と書類仕事の任務をひとつ片付けた。 けれど、どうやら何か急な諸事情ができたらしく、不知火先生を含めた多くの特別上忍以上の忍びたちがどこかに駆り出されているようだった。 不知火先生は詳しく事情を教えてはくれなかったけれど、散歩していたらしいミュウさんがその諸事情とやらを目撃してしまったらしい。 後に、木の葉の忍びが誰かに殺されてしまったのだということを教えてくれた。 私は散歩に来ていた足をその場に落ち着けると、こてんと近くの木に凭れかかった。 そして、空を仰ぐように顔を持ち上げれば、ひらひらと舞い落ちてくる木の葉の数を茫然と数え始めた。 「っはぁぁァァァアア!!」 「…っ、はぁはぁ…すごい」 「このくらいでチャクラが切れるとは…まだまだだ」 「でも、全部避けきれたわ」 そうして茫然とし始めてからどのくらいの時間が経ったのか。 私は、おそらくミュウツーさんが移動させてくれた木の上でそろりと姿勢を正すと、先ほどから感じていた気配に視線を送った。 「ネジ、今日はこのくらいでいい?」 「あぁ。付き合ってもらってすまない」 「…えぇ」 背を預けていた木の下で、どうやら誰かが修行か特訓をしていたみたい。 見下ろした先の地面には、二人の男女と至る所に見える円形の穴凹とたくさんの忍具が散らばっていた。 じっと、その二人を見つめる。 すると、内ひとりの人がこちらを向いた。 「何者だ」 「え?なに?」 「隠れていても無駄だ、出てこい」 「……」 どうやら気配を消さずに不埒に見ていたら、こちらの気配に気づかれてしまったらしい。 とはいっても私の方が先にここで寝ていたのだけれど…。 …出てこいなんて、無遠慮な言葉を投げられる筋合いは…ない、と思う。 「出てこないならこちらから行くぞ」 「…ちょと、ネジっ!待って…!」 そんなこんなで依然として木の上でぼんやりとしていれば、不意に正面の木の枝に現れた人影。 そこには、見たことのない?ある?人物がこちらを睨みつけていた。 その人は私の顔を見取ると、一瞬驚いたようにその顔を歪める。 なんだろう? 「お前は…たしか予選にいた…」 「…?」 「…ルカ、と言ったか」 現れた人は色の白い少年ひとり。 私は、発された言葉にことりと首を動かした。 「こんなところでなにをしている」 「……」 「答えもしないときたか。さすがは逃げ出しただけのことはある」 「?」 「フンッまあいい。弱いモノに興味はない」 「去ね」と鋭い眼光を浴びせてくるその人。 私はトントン拍子に運ばれていくその人の話にぼうっとしてしまった。 そして、彼がぽつぽつと勝手に言葉を漏らしていく中で不意に感じた違和感。 私は、ぱちりと瞬きひとつをした後に、その違和感に気づいてしまった。 「……お、でこ」 「なに?」 ぽつりと漏らしてしまった言葉に俊敏に反応を見せるその人。 私はその視線から逃げるように、自身の視界からその人物を外すと、隣にいたミュウツーさんに掴まるように身体を動かした。 「っまて!」 「…」 「逃がすか!」 そして、掛けられる声を他所に、私はミュウツーさんに抱えてもらいながらテレポートでその場を立ち去った。 (他人の修行場にはいかないように…しよう) (「…」) (今度から…起こしてくれるの?ありがとう)