ノンストップ救助

『この被災現場でパイスライダーとして、救助演習を行ってもらいます』

 (パイスライダー……!)
「「パイスライダー……?」」

 心の中で呟いたと同時に、別のニュアンスで口に出したのは、上鳴くんと峰田くんだ。

 その顔はすっかり忘れているな。

「現場に居合わせた人のことだよ。授業でやったでしょ」
「一般市民を指す意味でも使われたりしますが……」

 透ちゃんと百ちんの正確な説明に「ああ〜!」と、二人は思い出したように笑顔で頷く。(こんな調子で大丈夫かなぁ)
 
『ここでは一般市民としてではなく、仮免許を取得した者として――……どれだけ適切な救助を行えるか試させて頂きます』

 仮免許者なら出来ることが増え――って。

「む……人がいる……」
「え……あァ!?」
「あァァ!?老人に子ども!?」
「危ねえ、何やってんだ!?」

 救助者役の人?リアルな血だらけだけど、まさか本物の血じゃ……

『彼らはあらゆる訓練において、今引っ張りダコの"要"救助者のプロ!!』

「要救助者のプロ!?」

『「HELPヘルプUSアスCOMPANYカンパニー 」略して「HUCフック」の皆さんです』

 良かった!おじいちゃんの手にはちゃんと血糊を持っていた!(ご丁寧にボトルに書いてあるよ)

「色んなお仕事あるんだな……!」
「ヒーロー人気のこの現代に則した仕事だ」
「へぇ、面白そう。ちょっとやってみたくね?」
「上鳴、試験に落ちたらそっち目指したら」
「耳郎!そういうこと言うのマジよくないッ!」
「大丈夫だよぉ、上鳴くん。口にしたらなくなるパターン」

 珍しく動揺している上鳴くんを励ます。

「落ちる時は落ちるしね、ベストを尽くそう!」
「それ励ましてねえよ結月……!」

 泣きそうな顔で返された。

『傷病者に扮した「HUC」がフィールド全域にスタンバイ中。皆さんにはこれから彼らの救出を行ってもらいます』

 まあ、私も人の心配してる暇はなかったりする。救助向きの"個性"だからこそ、出来る事は多くて、きっちりこなさなければならない。

『尚、今回は皆さんの救出活動をポイントで採点していき、演習終了時に基準値を越えていれば合格とします。10分後に始めますので、トイレなど済ましといて下さいねー……』

 ポイント式か……減点形式よりも気が楽かも。(基準が不透明なのは気になるケド)

「…………」
「緑谷くん」
「うん……」
「神野区を模してるのかな……」

 でっくんが画面を見つめたまま、天哉くんに言った。

「あの時、俺たちは爆豪くんをヴィランから遠ざけ……プロの邪魔をしない事に徹した……その中で死傷者も多くいた……」
「――頑張ろう」

 実際にその場にいた二人だから、思う事があるのかも知れない。

(……私も、頑張ろう)


 私はもう救われたから、これからは救う立場に立つんだ。


「……はぁ、緊張するー」
「お茶子ちゃんは救助の授業でも成績良かったし大丈夫だよ」
「ヤオモモ、今日はいつもより食べんじゃん」
「ええ。救助となると創るものも多いでしょうから、事前に蓄えておこうかと」
「じゃあ、私も糖分取っておこう」
「あれ以上に……?」
「「――緑谷ァ!!!」」


 女子皆で固まって話していると、何やら一部男子が騒がしい。(でっくん……?)
 その声に弾かれて見ると、でっくんが峰田くんと上鳴くんに詰め寄られていた。

「何してたんだてめェはァ!?俺たちが大変な時にてめェはァ!?」
「試験中だぞ、ナメてんのか人生を!!」
「わ、痛い。やめて何!?」

 というかたぶん理不尽に絡まれてる。「何してんだか」三奈ちゃんの口から呆れ声が出た。

「とぼけんじゃねえ、あの人と!おまえは!何をして――」

 そう、峰田くんが指差したのはケミィ先輩だ。
 その視線に気づくと、ケミィ先輩はヒラヒラと手を振った。……でっくんに。

「良い仲に進展した後、男女がコッソリ交わす挨拶のヤツをやってんじゃねーか!!!」
「見損なったぜ、ナンパテンパヤロ――!!!」
「あ……ああ成程、瀬呂くんか!違うよ、そういうんじゃないってば!"個性"の関係だよ!ていうか、わけわかんなくてめちゃ怖かったんだよ」

 そこまで話を聞いて、席を立つとそちらに向かう。

「でっくん……」
「!?結月さん、ホント違うんだ!!やましいことは一切してなくて!!」
「うん、知ってる」

 でっくんの必死の弁解に苦笑いした。(何もない事ぐらいわかるってば)私が聞きたかったのは……

「私もケミィ先輩とちょっとあったから、何があったのか知りたい」
「結月さんも……?」

 それは、喉に小骨が引っ掛かってるような違和感だった。
 でっくんはケミィ先輩に襲われて、ターゲットを奪われたらしい。その際に会話していた所を、瀬呂くんに見られたとか。裸だったのは"個性"の影響とか。

(お茶子ちゃんに成り済ましていたところから、他人に変身できる"個性"と推測できる……)

 ケミィ先輩の元へ歩く。これはもう、単刀直入に聞くしかない。

「あの、本当にあの時のケミィ先輩ですか?」

 一瞬の間を置いて、ケミィ先輩が小首を傾げた。

「……私のニセモノがいるの?」
「ニセモノっていうか、初対面の時と性格が違い過ぎるからなんでかなって」
「何を言ってるんだ。ケミィはケミィだぞ?」

 もじゃもじゃの士傑の人が怪訝に言う。(毛すごい……)

「まあ、確かに普段と様子が違うが元からこいつは変だしな」
(変……)

 納得するようなしないような。私は短く言葉を交わしただけだから、同じ学校の人が言うならそんなものなのかな……。

「変なこと言ってすみません」
「いや……。俺も聞きたいことがある」
「聞きたいこと?」
「君にではないが……」

 もじゃもじゃの人が向かう先は……

「今度は士傑がこっち来んぞ」
「爆豪くんよ」
「あ?」

 え、また爆豪くん、何かやらかしたの?

「肉倉……糸目の男が君のとこに来なかった?」
「(毛すげえ)」
「ああ……ノした」
「やはり……!色々無礼を働いたと思う。気を悪くしたろう」

 と、思ったら違うらしい。どっちにしろ、爆豪くんのあの性格が反感買ったんだろうけど。

「あれは、自分の価値基準を押しつける節があってね。何かと有名な君を見て暴走してしまった。雄英とは良い関係を築き上げていきたい。すまなかったね」

 もじゃもじゃの人は、最後は友好的に言葉でも締めくくったものの……

「良い関係……?」
「良い関係……とてもそんな感じではなかった……」

 峰田くんとでっくんの言葉に同感。ちょっと説得力に欠ける。

「それでは」
「おい、坊主の奴」
「焦凍くん?」

 次に焦凍くんが、夜嵐くんを引き止めた。

「俺、なんかしたか?」
「……ほホゥ」

 夜嵐くんの焦凍くんを見るその目は、良い関係とは程遠い目をしている。
 二人は初対面だと思っていたけど、どうも違うらしい。
 試験前に喧嘩にならないと良いけど……そう思いながら二人のやりとりを見守る。

「いやァ、申し訳ないっスけど……エンデヴァーの息子さん」
「!?」
「俺はあんた"ら"が嫌いだ」

 夜嵐くんはきっぱりとそう言い放った。
 その口振りから、焦凍くんというよりはエンデヴァーと何かあったように感じる。

「あの時よりいくらか雰囲気変わったみたいスけど、あんたの目はエンデヴァーと同じっス」

 エンデヴァーと同じ目。確かに似てると思ったことはあったけど、今の焦凍くんは……。
 そして、きっとその言葉は、焦凍くんにとって屈辱的なものだ。

「夜嵐、どうした」
「何でもないっス!!」

 もじゃもじゃの人に呼ばれて夜嵐くんは行ってしまうなか、

「(親父の……目?)」

 焦凍くんは唖然と立ち尽くしていた。

「轟くん……?」
「焦凍くん、大丈夫?」

 クールなその横顔から、感情は見えない。

「結月、俺の目はエンデヴァーと同じ目をしてるのか……?」
「焦凍くんのことを知ってる人ならそんな風に感じないよ。ね、でっくん」
「うん。轟くんは変わった」

 私の言葉にでっくんも強く頷く。夜嵐くんがエンデヴァーを嫌いでも、焦凍くんに向けるのは違う。ただ……

「やっぱり焦凍くん、夜嵐くんと何かあったんじゃない?」
「………」

 思い出そうとしているのか、焦凍くんは黙り込む。

「じゃアね」
「あ、はい」

 不意にケミィ先輩はでっくんに声をかけ、でっくんはびくっと返事をした。

「あ、はいじゃねえんだよ」
「この色狂いが」
「だから違うってば!!超怖いんだよ、あの人」

(まだ上鳴くんと峰田くんは絡んでるし……)

「もう!みっともないですわよ!?試験前に何をなさってるのですか!」

 百ちんがピシャリと怒った。確かにこれから試験だというのに、ざわざわしている……。

「もやもやするね……」
「あ、理世ちゃんも……」
「確かに、あの者の変容ぶりは気になるな」

 お茶子ちゃんが何か言いかけた時に、先に話したのは常闇くんだった。

「イメチェンというやつではないのか?」

 続いて天哉くん。二人もケミィ先輩に会った事があるので、同じようにやっぱり不思議に思ったらしい。

「イメチェンか〜」
「闇の陰謀……」

 闇の陰謀……?意味深に呟く常闇くん。(それ言いたかっただけじゃ……)

「あ、ごめん。お茶子ちゃんなんだっけ?」
「あっうんっ何でもあらへん!」
「そう……?」

 お茶子ちゃんの話がまだだったと聞くと、お茶子ちゃんは手をブンブンと振る。
 気になって見ていると、お茶子ちゃんの視線の先には――

「……デ」
「!?」


 突然、耳に突く警報が辺りに響いた。

 
ヴィランによる大規模破壊テロが発生!』

「演習の想定内容シナリオね」
「え!?じゃあ……」

『規模は○○市全域、建物倒壊により傷病者多数!』

「始まりね」

 救助試験らしいスタートだ。
 ぐっと気を引き締める。

『道路の損壊が激しく、救急先着隊の到着に著しい遅れ!』

「また開くシステム!!」

『到着する迄の救急活動はその場にいるヒーロー達が指揮をとり行う』

 息つく暇もなく状況は進み、このゲートが完全に開けば、一斉に飛び出すだろう。

『一人でも多くの命を救い出すこと!!』
(――了解ラジャー)


「とりあえず、一番近くの都市部ゾーンへ行こう!」
「なるべくチームで動くぞ!」

 そんな声があちらこちらから響く。そうか、知らない人とも全員で一致団結しないと、この状況は乗り越えられない。

「早速、子どもが!!」

 HUC――いや、要救助者だ。
 泣き叫ぶ姿に、まずは状態確認と落ち着かせないと……
 
「あっち……!おじいちゃんが!!ひっ潰されてえ!!」
「ええ!大変だ!!どっち!?」
「なァんだよそれえ減点だよォオ!!!!」

 ひえ!?男の子は泣き叫びながら駄目出しした。

「まず、私が歩行可能かどうか確認しろよ、呼吸の数もおかしいだろォ!?頭部の出血もかなりの量だぞォ!?仮免持ちなら被害者の状態は瞬時に判断して動くぞ」

 畳み掛けるように並べられた正論。
 HUCが採点するみたいだけど、的確過ぎる。

「こればかりは訓練の数がものを言う!!視野広くぅ周りを見ろォ!!」

 視野を広く……その言葉に、私たちの数歩先行く先輩たちの姿を観察する。

「ここまでを暫定危険区域に設定する」
「いや、もっと広くだ!テロだぞ、もっと被害でかくなるかも!」

 ――安全地帯の把握。

「とりあえず道とヘリの離発着場をつくる。どいてろ!」

 ――交通の確保。

「救護所は控え室で!」
「だいぶ広いぞ、一時救出場を設定しよう」
「トリアージはとりあえず私やります」

 ――救護所の設置。

(やることは多い……!)

 それらを優先順位に並べて合理的に――。(いや、違う)
 この場には100名のヒーローがいて、それぞれが、自分の出来る事をやっている。
 まずどこが足りていて、どこが不足している?

(災害現場の把握……けど、この規模じゃ一人じゃ無理……)

「救出・救助だけじゃない。消防や警察が到着するまでの間、その代わりを務める権限を行使し、スムーズに橋渡しを行えるよう最善を尽くす。ヒーローは人々を救ける為、あらゆる事をこなさなきゃならん」

 その話に、真剣に耳を傾ける。
 
「何よりあんた……私たちは怖くて痛くて不安でたまらないんだぜ?掛ける第一声が『ええ!大変だ!!』じゃあダメだろう」

『もう大丈夫。私が来た』

 その言葉の本当の意味を知ったのは、USJヴィラン襲撃事件の時。

『理世、もう大丈夫だ。安吾も皆も待ってる。一緒に帰ろう』

 ……思い出す。その言葉でどれだけ安心したか。

 救けは、希望ひかりだ――。

「……よしっ」
「結月さん……?」

 迷っている暇はない。私のやるべき事は決まった。

「私、救助の手が薄い場所に行ってくる!」
「結月くん!こっちはまかせてくれ!」

 他のヒーローも動いてるなか、私の"個性"を活かし、出来ること。

 ――パンッ!

 直後、そんな破裂音がその場に響いた。
 でっくんが、自分の頬を両手で挟んだ音だ。
 それを見て、こんな状況なのに自然と口角が上がってしまう。

(……でっくんなら大丈夫だよ)

 最後まで見届けず、その場からテレポートした。一番大きな救護所は、控え室……

「あの!」
「!」
「私の"個性"はテレポートです。要救助者を見つけ次第、こちらに飛ばすので対応お願いできますか?」
「あなたの"個性"はよく知ってるわ。まかせて!」

 責任者のように一番テキパキ動いているお姉さんに声をかけた。快く引き受けてくれて良い人だ。

 再びテレポートで宙に移動。

 なるべく全体を確認しつつ……と言っても、ぐちゃぐちゃに建物が倒壊していてよく分からない。高度を下げる。

(そこで、この発目さんが作ってくれたアナライザースコープ改の出番)

 周囲の生命反応を感知し、大まかな位置を特定。(発目さん、良い仕事してくれる!)
 まだヒーローたちが集まっていない場所の救助活動をする。

「た、救くてくれ……!」
「怖いよ〜〜!」
「(よくここが分かったな、小娘!だが、ワシの採点は厳しいぞ……!)」

 半壊したビルに閉じ込められた人たちだ。
 見た所では、軽傷が多数……。

「皆さん、大丈夫です!救護所まで各駅停車せず一直線でテレポートしますので、他に救援者の心当たりはありませんか?」
「こ、ここは僕たちだけだけど……!」
「では、そのまま動かないでどうぞ!」


 言い終わると同時に、全員まとめてテレポートさせた。


 ***


「「!?」」
「テレポートガールちゃんね!皆さん、ここは救護所です!順番に視ますので安心してください!」
「(迅速すぎて……)」
「(採点する隙がない……!)」
「(むむむ……!)」


 ***


 ――時間はかけない、迅速救助!

 そんな感じで救援者を見つけては救護所にすぐさまテレポートさせた。
 頭の怪我や重傷者の移動も、私の"個性"なら影響を与えないので、簡単な問診だけで済む。

(取り零したくない。一人でも多くの人を……!)

「うぅ……」
「!」

 瓦礫に下半身が押し潰されている!早く救けないと……!

「大丈夫ですよ!今――……」

 伸ばした手が、男性に触れる前に止まった。
 突然生まれた小さな違和感に、不安が横切る。

(あれ……私、このやり方で本当に合ってる?あれ、あれ、あれ??)


『そういやァ理世。あんたの"個性"は瞬時に救助できる立派なもんだけど、ちゃんとした知識がないと逆に事態が悪化する。覚えておきな』


 ……――この時、与謝野先生の言葉を思い出す。
 それは"個性"を攻撃に使えるように、人体について教えてもらっていた際だ。


 私の"個性"だからこそ、起こりうる事態。


「いつから、瓦礫に挟まれていますか」
「!(よく気づいた……!)」

 二時間程、と彼は答えた。……やっぱり。この試験、あらゆる可能性が組み込まれている。

「クラッシュ症候群シンドロームの可能性があります」

 圧迫され続けた状態から解放された際に起きる、細胞の損傷や壊死。時間は目安で、重量物に挟まれていた場合は、注意しなければならない。

 今ここで私が瓦礫をテレポートさせていたら、圧迫から一瞬で解放されて、一気に血流が流れて危険だった……!

(一瞬の判断ミスもできない……)
「うぅ……早く救けてくれ……」


 ――さあ、ヒーロー。どうする!?


 応急処置は…………

「絶対に救けますので、安心してください!ただ、いきなり瓦礫を退かすと体に負担があって危険なので、このまま救護所に向かいます」
「…………は?」

 テレポートした際に服も一緒に飛ぶ原理と一緒だ。
 瓦礫も一部と再認識してテレポートさせる。(……大丈夫。私なら出来る)


 ――意識を集中!


「……!瓦礫ごと一緒にテレポートさせたのか!?すげえなあんた!」
「クラッシュ症候群の可能性があります!あの場だと十分な応急処置が出来ないと思って……」
「まかせておけ!こちとら医療も頭に入ってる!」

 あの場で無理に強行するより、安全面を取った。
 私の付け焼き刃の応急処置より、ここのヒーローたちなら確実に救けてくれると思ったから。

「(大胆だが……リスクと可能性を考慮した最適解の決断……。アリ!)」

 男性はその場に頼んで、再び被災地に飛ぶ。
 救護所はすでに多くの人が救助されていたけど、まだまだ取り残されている人もいるだろう。

 さっきよりもチームになって、皆助け合って救助活動をしているのが分かった。

 応急処置のスペースも作られている。

 私たちは医者じゃない。だけど、救急隊が来るまで、その命をあらゆるものから守り、繋げなければならない。

(……――そうか)

 それを繋げる動線。皆がそれぞれの場所で救急活動を行っている状態だから、その拠点を繋げる道を確保出来れば、救助隊もヒーローもスムーズに活動できる。

(せめて救護所への動線が確保出来れば……)

 それを可能にする"個性"は……


「風……?」


 良い"個性"の持ち主、見つけた!


「安全確認も怪我人の状態確認もなしに動かすな。事態が悪化する」
「そっか!!失礼しました」


 夜嵐くんはその"個性"の風で、ここら一帯の救助者を一気に救助したらしい。
 繊細なコントロールかつなんて大胆な。


「夜嵐くん!!」
「うおッ!?結月さん!!!」
「私と手を組んで!」


 だからこそ、夜嵐くんが適材適所だ――!


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