体力・魔力ともに回復し、一行は万全の状態でシルビア号に乗り込み、バイキングのアジトへやってきた。
皆に続いて小舟に乗るカミュの背には片手剣が装備され、腰に巻いた布には二本の短剣を差している。
記憶と一緒に武器も失くし、カミュはエルシスの装備袋から拝借した。
新調して古くなった武器や防具はすぐには売らず、金欠になった際にお金の足しにする――という堅実なやり方は、カミュがエルシスに教えたものだったが、それとは別に……
「この武器、かっこいいなぁ。売らずに取っておこう」
エルシスは自分が気に入ったと武器と防具は取っておくマニアでもあった。
カミュは記憶を取り戻したと同時に、戦い方も特技も思い出したらしく「足手まといにはならねえから安心しな」と、皆に豪語した。
元より仲間たちはその心配はしていない。
グレイグとホメロスもカミュとの共闘は初めてだが、魔物化していたとはいえ、カジノでその実力は目にしている。
「ここに黄金兵は待ち構えていないみたいだね……」
アジトの船着き場に着いて、ユリは小舟から降りながら言った。自分たちの正体を知られたので、警戒されていてもおかしくないと思っていたが。
「カミュを捕らえていた黄金の兵士たちは、そのクチぶりから察するに、キラゴルドという魔物の配下のようじゃった。……ひょっとすると、黄金病についてもその者が何か関わっているかもしれん。ユリよ、連中の居城に向かうとするぞ」
ユリだけでなく、全員がロウの言葉に真剣な表情で頷く。
「皆さん、気をつけてくだせえ!」
この場まで届けてくれたアリスに見送られ、一行は奥に進み、敵の居城へ向かった。
「鉄鬼軍王キラゴルドか……。これまで何度か軍王と名乗る魔物と戦ってきたが、いずれも強敵ぞろいだった。ユリよ、気を引きしめていくぞ!」
「うん!マヤちゃんも黄金にされた人たちも取り戻そう」
グレイグの言葉に、ユリも気合いを入れて答える。
バイキングのアジト、風穴の隠れ家を通り抜け、その先には――……
「私が見えたのはこの一部だったのね……」
「こんな場所にこんな城なんてもんは今まで建ってなかったぜ」
「さしずめ、黄金城というわけか……」
「なんていうか、成金趣味な城ねえ。キラゴルドとかいう魔物、そんなに黄金が好きなのかしら?」
マルティナ、カミュ、ホメロス、シルビア……皆、雪原に忽然と現れた黄金城を見上げた。
黄金の外観は雪原以上に光を反射している。
ユリもまた、驚きにため息は吐くと、それは白い息となって宙に消える。
周囲には黄金兵がうろついており、どうやらこちらは魔物だったので、一行は躊躇なく倒していった。
「金ピカで悪趣味な城だな。くそ、この城のどこかに黄金になったマヤが……。キラゴルドの野郎め、待っていやがれ。必ずオレの手でぶちのめして、マヤを取り戻してやるからな!」
「カミュよ、気持ちはようわかるが、あまり熱くなるではないぞ。ここから先は敵の本拠地……なにが起こるかわからん。皆も心して行くぞ」
ロウの冷静な言葉を受け、カミュは本来の冷静さを取り戻していく。敵の本拠地の城に乗り込むということに、ユリはグレイグと共にデルカダール城の闇を払いに行ったことを思い出していた。
一行が城の前まで来ると、勝手に扉は開いた。
招かれている――と、一同ごくりと息を呑む。ユリとカミュは顔を見合わせ、無言で頷くと、敵のお望み通り城の中へ足を踏み入れた。
城内は金色一色だった。
壁も床も天井も扉でさえ、黄金でできている。驚きや訝しげな顔で見渡しながら、皆は城内を進んだ。
「すべてが黄金で作られた城とはな。いったい、どれほどの黄金を集めれば、このような城が築けるというか……」
歩きながらグレイグが唖然と話す。
「……まるで、キラゴルドとやらが自らのチカラを誇示しているかのようだな」
雪原に似合わないこんな城を構え、自分たちを招き入れたところを見ると、よほど自分の力に自信があるのかもしれない。
「辺り一面が黄金だなんて……。見た目はキレイだけど、自分の居場所を見失ってしまいそう」
マルティナは綺麗だと言ったが、ユリはまぶしさにくらくらしそうだ。
「ユリ、道に迷わないように、気をつけて先へ進みましょう」
「お城で広そうだし……あまり複雑な造りじゃないといいな」
「オレたちを招き入れたってことは、罠もあるかもしれねえ。気をつけろよ」
カミュの注意にユリはこくりと頷いた。
分かれ道に出会したが、どちらも扉は内側から鍵がかかっており、中央から攻めていく。
城内に現れる魔物は、黄金兵はもちろん、ゴールドマンやゴールデンパペットなど、黄金の魔物たちばかりだった。
ゴールデンパペットの身体をバラバラにし、嵐のごとく降り注ぐ攻撃も厄介だが、攻撃力と防御に誇るゴールドマンが一向に立ちはだかっていた。
「眠っちまえ!」
カミュのスリープダガーで一体は眠らせ、残り一体は……
「とっておきよ、受け取って!セクシービーム♡」
ばきゅん!マルティナの魅力を高めるほど威力が増す技は、防御が高いゴールドマンにも確実なダメージを与えた。たまに魅了する追加効果もある。
「ウフフフ……アタシもマルティナちゃんに負けないわよ!ほとばしる愛!アモーレショット!」
ずきゅん!シルビアはハートを魔物に打ち込んだ。同じくシルビアの魅力が高いほど威力が増す技で、こちらもゴールドマンにしっかりダメージを与えた。たまに麻痺の追加効果がある。
マルティナのおいろけ技に対してシルビアのおとめ技。
「わぁっ、マルティナとシルビアの魅力合戦だね!」
「馬鹿な……。ゴリアテが姫さまの魅力と互角だと……!?」
「シルビアもやるのう」
――突然始まった二人の魅力対決に、一人、カミュだけはすごい目をして見ていた。
シルビアはともかく、マルティナだ。
以前はそんなおいろけ技なんぞ使わず、ゴリゴリの武闘一択だったのに、一体なにがどうしてこうなった。
「……おい、マルティナの身に一体何があったんだ?」
カミュは冷静に場を見ているホメロスに聞いた。冷静だが、彼の二人を見る目は死んでいる。
「マルティナ姫は一度魔物の手によって魔物化してな。それ以来、姫の中で目覚めてしまったのだろう」
「……マジか」
「ちなみに貴様も魔物化した」
「…………」
そのホメロスの文句ありげな言い種に、カミュはムッとしたものの、反論することはできなかった。
なんとなく、その際に自分はとんでもないことをしでかしたような気がするからだ。
最後は、ユリの「バイキルト」で攻撃力アップしたグレイグの「ぶんまわし」によってゴールドマン二体同時に倒した。
ゴールドマンは強敵だが、ゴールドをたくさん貰えるのでちょっと嬉しい。
「そういえば、ユリちゃんも魅了攻撃を覚えているのよね」
「あら、そうなの?」
その言葉に、カミュとホメロスの耳がぴくりと動く。
――ユリの魅了攻撃だと……!?おいおい、まさかのおいろけ技か!?
――ユリさまの魅了攻撃とは、いかがわしい技なら私が止めなくては……!
だが、二人の考えることはちょっと違った。
「記憶を取り戻した際に一緒に思いだしたんだけど、使う機会とかなくて……」
ユリ固有スキルの『天使』の技だ。
ユリは苦笑いして言ったが、シルビアとマルティナのぜひ使ってみてという言葉に、彼女も次の戦闘で魅力合戦に参戦した。
ユリが両手を組んで微笑むだけの「天使のほほえみ」である。
だがしかし、その頭上には後光が差し、天使のわっかと白い翼が生えているように見え、癒やしの破壊力はすごい。
「ユリらしい、ステキな技ね」
「なんだか癒やされるわぁ」
「極楽浄土への誘いのようじゃ」
「心に清涼感を感じる……」
「なんと心が洗われる技だ……!さすがユリさまです」
「すまねえ。あらぬ妄想をしたオレの心を浄化してくれ……!」
魔物を魅了するだけでなく、味方の心を浄化する効果もあったとか。
魔物も一掃し、城内の奥に向かうと、美術品のように飾られたそれらに彼らは不快げに眉を潜めた。
城の中で飾られていたオブジェは、すべて黄金化した動物や人間だ。
「ぬう、城内に置かれている黄金の像……まさか黄金病にかかり、黄金になってしまった人間の動物たちの成れの果てだというのか」
ロウは険しい顔でそれらを見つめ、声の語気を強める。
「命ある者を何かのコレクションのように収集し、陳列して、はずかしめるとはなんという悪趣味な!」
彼の言葉に全員同感だった。しかも、飾られている中には――
「見て!あの時のおばあちゃんだわ!」
シルビアが声を上げた。一際目立つように飾られていたのは、自分たちの目の前で黄金化したあの老婆だった。
苦しみながら黄金化した状態のままだ。
皆は怒りを抱えながら、鉄鬼軍王キラゴルドが待ち受けるだろう玉座の間に急ぐ。
だが、黄金一色の城内は迷いやすく、さらには一階と二階を往復しないと先に進めないという構造で、一行は難航した。
今のところ罠はなかったが、宝箱のように擬態している魔物に出会す。
城内の一角にはスロットマシンが置いてあり、調べるとコインが手に入るので、再びユリは調べてみると……
「いたいっ!?」
「ユリ!」
いきなりユリは手をガブっと噛まれた。
スロットマシンの魔物、その名もスロットマジーンだ。
「ユリさま、大丈夫ですか?」
「うん、噛みつかれただけだから……ありがとう」
念のため、ホメロスは「ベホイミ」でユリの噛み跡がついた手を癒やす。
魔物は仲間たちの手によって倒され、さらにスロットマジーンの目が怪しく回り、大当たりが出たことにより、ゴールドを少し多く入手したらしい。
なんとも派手な魔物め……と、呟きながらグレイグは大剣を背中に戻す。
「でも、宝箱だけでなく、スロットに擬態する魔物もいるのね。モンスターカジノでも見かけたけど……」
「ああ、あの魔物は……」
ホメロスはスロットマジーンの魔物が生まれた逸話を話す。スロットで勝ちたい!そう願った男は、スロット姿で戦いに勝てる魔物になったのだ、と。
なぜ、こんなことに……と、魔物になってしまった男も思ったことだろう。しかも、仲間たちに倒されてあっさり負けている。なんだか切ない魔物だとユリは思った。
「ボンヤリは相変わらずだな……。いい加減、気をつけろよ?」
「むっ、カミュだってノリノリで調べてコインゲットして喜んでたじゃない」
「オレはいいんだよ。お前は危ないだろ」
「たしか、カミュって「インパス」の呪文を覚えてなかったかしら?」
マルティナの言葉に「そういやそうだったな……」と、カミュは思い出し、次からは安全にスロットマシンを調べた。
「黄金像じゃなくて、黄金化したものや奪ったものたちも溜め込んでおるようじゃ」
「キラゴルドはどこまでも強欲な魔物だな。俺が賎しい精魂ごと成敗してやる!」
宝物庫と思わしき部屋では、コインの山だけでなく、黄金化した大砲や剣、地球儀、樽……見境なく集められていた。
「お、宝箱があるぜ。ユリ、もらっていくぞ」
黄金には興味はないが、宝箱の中身はしっかり頂く。これぞ、一流の旅人の流儀である。
中身はレシピブックで『髪を飾る黄金』だ。
パラパラめくると『きんのサークレット』のレシピが描かれている。
「あら、ステキ」
「オシャレだね。作ってみよう!」
覗き込んだマルティナと、ユリは笑顔で顔を見合わした。
そうか、エルシスがいないから鍛冶もユリがやっているのか……と、カミュは気づく。
階段を上がったり下がったり複雑に移動する上、黄金の色が慣れず、本格的にユリはくらくらしてきた。
「ドアにカギをしめて行き止まりにしたり、もしかしたら、これが魔物の狙いなのかしら?」
「大丈夫?ユリ、いざとなったらグレイグに抱えてもらうといいわ。そうよね、グレイグ」
「ああ、まかせろ。お前ぐらい片手で抱えて戦ってやるさ」
「そこまでは大丈夫かな……」
マルティナの提案に何故かグレイグは胸を張って答え、ユリは苦笑いする。
「わしもユリの気持ちがようわかる。黄金のかがやきがまぶしくて、老眼にはキツい」
「じいさん、それは老眼関係あんのか……?」
「これほど全面が黄金だと、毒々しくは感じるな。……ん」
そんな矢先、ホメロスはある魔物を発見した。
……キラキラしたゴールドマンだ。
「ユリさま。あちらを倒して乗り物にしましょう」
ホメロスは腰から剣を引き抜きながら言った。
……そういや、そんなのもあったな、とカミュは懐かしく思い出す。
乗り物化したゴールドマンの手のひらの上に、ユリは乗った。
ゴールドマンの頭に手を添えて立つ姿は、魔物を従えているみたいでちょっとかっこいいと皆は思う。
「なんか私も一緒に強くなった気分!」
そのユリの感想はあながち間違っていないだろう。
ゴールドマンは歩くスピードは遅いが、ユリが操作?命令?をすると、床を殴って、その振動で周囲にいる魔物たちを一撃で倒した。
「ゴールドマンちゃん、味方になると頼もしいわね!」
「これで道中、魔物と遭遇しても楽チンじゃのう」
さすがに同じく頑丈なゴールドマンには効かないが、なかなか便利な乗り物だ。
「よっと」
ゴールドマンが殴った際は、その反動でユリの身体は浮くのだが、よく落ちないものだと――何気に高いユリの身体能力に、カミュは改めて感心する。
「……いや、待て。そいつ、階段を上れるのか?」
明らかに階段の幅はゴールドマンの体格より狭いような……。ユリは「試してみる」と答えて。
…………おおっ。
思わず皆の口から感嘆の声がもれた。ぎりぎりの幅でゴールドマンは階段を上がっていく。
問題なく進み、やっと三階へとやってきた。
玉座の間は、さらにこの上の階だろう。
左右に黄金化が飾られた、悪趣味で不気味な廊下を通り抜けた部屋で――
「わわっ!」
「ユリさま……!?」
床が崩れ、ユリはゴールドマンに乗ったまま落下した。
ゴールドマンの着地に、ドシンッと一帯が振動で揺れる。どうやら、道は二手に分かれているが、どちらを行っても落ちる仕掛けになっていたらしい。
「ユリちゃーん、大丈夫〜?」
「ゴールドマンに乗っていたから全然平気だよ〜!」
崩れた床からシルビアが声をかけると、下から元気な声が返ってきた。逆に、ゴールドマンに乗ったユリが落ちてよかったかもしれない。
「上に行ける道はないか探してみる!」
カミュは荒野の地下迷宮でも同じようなことがあったことを思い出す。あのときはエルシスが落ちて、ユリが早々に下へ降りてしまったが、今回は……
「さすがにあいつ一人じゃ心配だ。行ってくる」
そう皆に言うや否や、カミュは崩れた穴から飛び降りた。
「…………」
どことなく寂しそうな目をしているホメロスの肩にぽん、とグレイグは手を置く。
「お前もお役目ごめんだな」
かけられたのは励ましの言葉ではなかった。ホメロスはむすっとして「知らん」とその手を払う。
「でも、仕方ないわね。カミュちゃんってそれこそユリちゃんの騎士みたいな感じじゃない?」
デルカダールの若手商会の青年にもカミュはそう見えるらしく「騎士のあんちゃん」と、呼ばれているぐらいだ。
「そうね。少なくとも盗賊よりは向いてるかもしれないわね」
「ぶっきらぼうじゃが、隠しきれとらんからのう。そういう部分はホメロス。おぬしにも通じるかもしれんな」
ホメロスは「はあ……」と、わざとらしくため息を吐くと、
「皆が何を勘違いしているのか知らぬが……。私は私なりにユリさまの剣として、あの方のために働くだけだ」
背を向けて毅然と言ってみせ、皆はそれぞれ肩を竦めた。
「あ、見てカミュ!宝箱!」
「落ちてラッキーだったかもな」
ゴールドマンに乗ったユリとカミュは、気になっていたが柵の向こうで行けず、取れなかった宝箱の所へとやってきていた。
「中身はなんだった?」
「『きんかい』だ!」
宝箱を開けたカミュは、腕を伸ばして手の中にある金の塊をユリに見せた。黄金城らしい中身で、魔物が落とす宝箱も『おうごんのカケラ』や『きんのこうせき』など、しばらくは旅の資金に困らないだろう。
「……それにしても。恋人同士で黄金像化しちゃうなんて……」
飾られている像は、男女の仲むつましい姿のまま黄金化されたようだ。ユリの目に悲しく映る。
「ああ、ホントに悪趣味でな野郎だぜ。マヤの黄金像もどこかで飾られていると思うと胸くそワリぃ」
ここまで目にしてこなかったが、きっとこの城のどこかにあるはずだ。
「カミュ」
そう名前を呼んだあと、ユリはゴールドマンの手のひらから降りて、カミュの真っ正面に立つ。
「ここにある黄金像はオーブのチカラを借りて黄金化されているから、キラゴルドを倒せば元に戻るけど、マヤちゃんの黄金化は呪いの首輪によるもの……。必ず、私のチカラで解いてみせるよ」
真剣に言ったユリとは反対に、カミュの顔は安堵したように綻ぶ。
「そうか……!もう気づいていると思うが、前にオレがお前に言ったチカラを貸してほしいことはこのことだったんだ。天使だったユリなら、呪いをなんとかできるんじゃないかって……」
「うん、まかせて。キラゴルドを倒して、マヤちゃんも見つけよう」
ユリは笑ってカミュに言った。あの首輪の呪いの強さはわからないが、ユリには秘策がある。
「……ありがとうな、ユリ」
その言葉に、彼女は首を横にゆるゆると振る。
「私……ずっと、カミュのチカラになりたかったんだ」
「……オレも、お前のチカラになりたいと思っているよ」
「ふふ、カミュにはいつもチカラになってもらってるよ」
「オレは、いちばん近くでお前のチカラになりたいんだ」
いちばん近く……?どういう意味だろうとユリは考える。考えている間にも、カミュは真剣な眼差しで見つめてくるから、ユリはどんどん恥ずかしくなってきた。
「あ、いや……とにかく、そういうわけだ。宝箱も回収したし、あいつらと合流するぞ」
「う、うんっ!」
慌てて取り繕ったカミュは、ユリを連れて早々にその場を離れる。
黄金像にされた仲むつましい男女の前で、なに言ってんだオレは!と、二人に申し訳なくなったからだ。
一番近くで――その言葉の意味は、カミュにとって一つしかない。
無事に二人は皆と合流を果たし、最上階の玉座の間に繋がると思われる扉の前にやってきた。
「この向こうに、鉄鬼軍王キラゴルドがいるようだな」
「ああ、禍々しいオーラを感じる」
グレイグとホメロスが扉の前に立って、警戒する声で言った。
扉の向こうから感じる気配に、……間違いない。
「開けるぞ」
……――だから。
「やっと来たんだ」
玉座に座っている不釣り合いな少女の姿に、七人は茫然と立ち尽くしてしまった。