勇者の相棒

「…………カミュ?」
「っ……ユリ!」

 ――その時、ユリは目を醒ました。
 まだぼーっとしているようで、虚ろな目がカミュを見つめる。だが、確かにその目は自分を映していた。

「ユリ、大丈夫か?気分はどうだ?」
「……ここは、どこ……?」
「クレイモランの宿屋だよ」
「……クレイモラン……」

 倒れて運ばれたんだ、とカミュは続いてユリに説明する。

「私、倒れたの……?」
「覚えてねえのか?たしか、セーニャは魔力枯渇でとか言ってたな」

 魔力枯渇とは聞いたことのない単語だったが、セーニャという名前でユリはだんだんと思い出してきた。
 ……そうだ。ネドラ戦でうまく魔力が扱えず、身体も動かなくなり、もうだめかと思ったとき、セーニャが助けてくれたんだと。
 そして、サンディの声がいつも以上に騒がしく聞こえると思ったら、一気に視界が暗くなり――。

「……私、またみんなに迷惑かけちゃったのね」

 ユリの口から出た声は自分に落胆するものだった。

「……お前は。エルシスが熱出したときや、ミルレアンの森で倒れたとき、迷惑だって思ったか」
「……思ってない」
「それと一緒だ。誰も迷惑かかったなんて思っちゃいねえよ」

 心配はしたが、それと迷惑は別だ。やがて小さく頷くユリは、一応は納得したようだ。

「……カミュも心配してきてくれたの?」
「……まあな。話したいこともあったし」

 流れ的に、カミュはその話したいことを切り出すことにした。

「マヤには話した。オレはお前がなんと言おうとこの旅についていく」
「……そう」
「そうってお前……なんかもっと他にあるだろ」
「だって、カミュの意思が固そうだったから……」

 確かに固いが、反応が呆気なさすぎて拍子抜けする。いや、病み上がりでまだ気力がないのかもしれないが。

「そういうわけだから、オレにもちゃんとお前のことを守らせてくれよな」
「……それは」

 逸らしていた目がこちらを向き、カミュの視線とぶつかった。

「私が、弱いから……?」
「…………」

 不安げに瞳が揺れる。どうやら倒れたこともあって、ナーバスになっているのだとわかった。カミュは「違う」とはっきり口にする。

 記憶喪失のときはどこかか弱い雰囲気もあったユリだったが、記憶を取り戻した彼女は、その内にある芯の強さも取り戻した。

 大樹が落ちた世界でのユリは、心身ともに以前より強くなったのだとカミュはすぐにわかったが、……気づいた。

(こいつは……)

 勇者の紋章を、仲間を、人々を、世界を守るためには、強くならざるを得なくて、強くあろうとしていたのだと。
 カミュがそんな彼女を守りたい理由なんて、突き詰めれば一つしかない。

「惚れた女を守りたいと思って悪いかよ」
「……っ」

 自然と語気を強めて言った言葉に、ユリははっとして、毛布を引き寄せると顔を隠すように反対側を向く。

「……お前、まさか忘れてないだろうな」
「わ、忘れてないよ!」

 なにを、とは言わなかったが、ユリは察したらしくすぐに返答した。さすがにあの一世一代の告白をなかったことにされていたら、それこそカミュは泣く。

「この旅がどうなるかわからなくて、カミュに伝えられなかったらどうしようとか……考えてたから……」

 そう、か……と、カミュはその言葉を口の中で転がした。彼女なりに返事を考えてくれていたらしい。(ってことは、もう答えが出てるのか……?)

「……それならいい」
「っ」

 次にカミュは、毛布を握っていたユリの右手を取る。
 その手の甲に浮かぶアザは勇者の紋章だ。
 自分の手にこの紋章があることを知ったとき、彼女はどんな心境だったか。

 カミュはその手を握って言う。

「お前の心はオレが支えてやる。だから、弱音も今まで溜め込んでるもんも、全部オレに吐き出せ」

 まだなにもわからないまま、勇者という使命を背負ってしまったエルシスの心を支えていたのは、間違いなくユリの存在だったとカミュは思う。

『エルシスは、もっと自分のことを信じて良いんだよ』

 だったら、今のユリを支えるのは――

「ユリ……全部オレが受け止めてやる。信じろ」

 少しの沈黙を置いて、カミュの手を微かな力で握り返された。「本当は……」

 掠れた声で、ユリの口から言葉が吐き出される。

「不安で、仕方ないよ。私で勇者の役目は果たせるの?エルシスはどこにいるの?みんなが勇者だって認めてくれたのに、時々すごくこわくなる……っ」

 同じ使命を背負うでも、生まれながらに背負うのと、途中から背負うことになったのではまったく意味合いが違うだろう。

 その責任に押し潰されそうになる――と、ユリは蓋をしていた不安を吐露した。

 カミュはただ黙って聞いた。吐き出せない思いを抱えて生きることは、どんなに苦しいことか、カミュは知っている。

「カミュ、お願いがあるの……」
「ああ、なんでも言え」

 どんな願いでも、叶えてやりたい。

「私の、いちばん近くで支えてほしい」
「んなこと……最初からそうしたいって言ってんだろ?」
「じゃあ……じゃあ、私の……」

 潤んだ瞳で見つめられ、カミュは息をすることを忘れた。自身の高鳴る鼓動を感じながら、ユリの言葉の続きを静かに待った。


「相棒になって」


 ……――ユリにとって、相棒とはなによりも特別な存在だった。
 エルシスとカミュの二人をずっと近くで見てきて、相棒の二人は眩しかった。

 お互いに信頼し合い、肩を並べて、背中を守り合って戦う姿は――無敵だと思った。

 ちょっぴり羨ましかったのかもしれない。

 だから、ユリはカミュが相棒としてそばにいてくれれば、自分はきっと大丈夫だと、そう信じられた。


 "カミュ、私の相棒になって"


 ユリの言葉を受け、カミュはふっと優しく微笑む。

「なってやるよ、お前の相棒に。元よりオレの肩書きは『勇者の相棒』だぜ?」

 その言葉に、やっとユリは笑顔を見せた。嬉しそうに安心したような……そんな穏やかな笑顔だ。

「ありがとう……」
「礼を言われるようなことはしてねえし、元気になったマヤのこととか、礼を言うのはオレの方だよ」

 もう少し寝てろ――。そう最後にカミュは優しくユリに言う。そして、みんなにお前が起きたことを伝えてくる、と部屋を後にした。

 扉をゆっくり閉めて、数歩歩くと、カミュの足は止まった。


 相棒って、なんだろう――。


(いやいやいや、おかしいだろ)

 廊下の壁に手をつけて、呆然とするカミュの口から、ぽつりと本音がもれる。

「恋人じゃだめなのか……?」

 そこは恋人じゃねえのか……!?ごんっ、とカミュはそのまま壁に額をぶつけた。

(いちばん近くだぞ?男と女のいちばん近くっつたら恋仲だろう。なんで相棒なんだ。いや、あんな潤んだ瞳で言われたら相棒でもなんでもなるけどさ)

 ……はっ!

(まさか……オレは遠回しにフラれたのか……?)

 ユリのあの口ぶりだと、もう告白の返答は決まっているみたいだった。だから、恋人じゃなくて相棒だったのか……?

 ……………。

(いや待て早計だ。あいつは一般常識がズレているところがある。ユリの常識では恋人より相棒の方がより親密な存在なのかもしれない)

 よって。

「……。カミュちゃん?なに壁に向かってブツブツ言ってるの……?」
「……オレはフラれてねえ……」
「え!?カミュちゃん、ユリちゃんにフラれたの!?」
「オレはフラれてねえ――!!」


 カミュは自分に言い聞かせて、精神を保った。


「セーニャが煎じてくれたお茶、すごくおいしいよ」
「飲みやすいように味付けしましたの。ユリさまのお口にあってよかったです」

 翌日にはユリは元気になったが、セーニャの許しが出るまで安静にしなくてはならず、変わらずベッドの上にいた。
 滋養にいいという薬草を煎じた温かいお茶を飲んで、ユリはほっとする。
 お茶を飲みながら、ユリはセーニャのこれまでの話を聞いていた。成長した彼女の雰囲気は以前より凛々しく感じる。

「セーニャは一人でたくさんの人を救ってすごいな」
「それは、ユリさまたちもですわ。大樹が落ちたあと……私、本当はすごく不安だったんです。いつも一緒にいたベロニカお姉さまとも離れ離れになってしまって……」

 セーニャはそのときの心境をユリに話す。

「生まれてからずっと一緒でしたから、こんなにお姉さまと離れたのは初めてでした。独り、というのはとてもこわいものですわね」

 今は穏やかに微笑んで話すセーニャだったが、辛いことも乗り越えてきたのだとユリは感じた。

「でも、そんな私を支えてくれたのもまたお姉さまでした。私の中のお姉さまが叱るんです。しっかりしなさいって。不思議と勇気が出て、私は歩みを止めることなく……また皆さまと巡り合うことができました」
「離れていても、きっとベロニカと心が繋がっているんだね」
「私もそう信じてます。ふふ、ユリさま、私はお姉さまに会ったら楽しみなことがありますの。私でも一人で行動できたと……お姉さまをぎゃふんと見返してやりますわ」

 清楚な笑みからいたずらっ子のように笑うセーニャに、ユリも一緒になって笑った。

「では、今度はユリさまの番ですわ」
「私の話かぁ……」

 思い出すと、辛いことや悲しかったことの方が強く残るのか、そのときの記憶が横切ってしまう。
 ユリは楽しいことや嬉しかったことを思い出そうとし、やがて口を開く

「イシの村……エルシスの故郷なんだけど、そこの村の人たちが生きていたの。記憶を失くして初めてできた友達のエマも生きてて、エルシスのお母さんも生きてて……すごく嬉しかった」
「ユリさまにとっても思い入れのある村なのですね」
「うん!エルシスにも早く教えたい……」


 ――数日後。セーニャの許しも得て、ユリはようやく退屈なベッドからおさらばした。
 心配かけてごめんなさい、と謝るユリに皆は暖かく迎える。

「ユリ、ちょっといいか?マヤに会ってほしいんだ」

 そして、そんな風にユリはカミュに連れられて、教会へとやって来た。心の中で会いはしたが、直接マヤと顔を合わせるのは初めてだ。

「初めまして、マヤちゃん」
「え、あれ?天使さま……?ん、いや、勇者の人?」

 マヤはユリの姿を見て混乱した。カミュが「元天使で勇者のユリだ」と教えると、マヤはますます頭がこんがらがる。

 夢の中で会ったときは(夢の中の出来事が本当なことも驚いたけど)その温かさに母のようにも感じたが、実際はお姉さんだった。そして可愛い。
 兄はそんじゃそこらの女より顔が整っているとマヤは密かに自慢に思っているが、二人並んだ姿は素直に絵になっていると認めた。

 ちなみに、あと数年すれば自分も美人になるとマヤは思っている。

「まあ、いいんじゃね」
「?」
「二人、お似合いだよ」
「お似合い?」
「おまっ……変なことを……!」
「じつは……カミュは私の相棒になってくれたの。お似合いかな?」

 ……は、相棒?恋人じゃなくて?

 ユリは照れくさそうに微笑んだが、カミュとマヤの間で気まずい空気が流れる。
 まさかここで痛恨のボケをユリがかますとはカミュは思ってもみなかった。

「…………」

 ……妹よ。そんな残念そうな視線を兄に送るんじゃねえ。

「……兄貴、がんばれ」

 同情されるような声に、ますますカミュは居たたまれなくなった。

「あ、ユリ…さん。おれのこと助けてくれてありがとう。まだお礼、ちゃんと言ってなかったから……」
「マヤちゃんが無事で元気になってくれたのがいちばんの救いだよ。また、寂しい思いをさせちゃうけど……」
「それなら、アタシがいるから大丈夫!」

 ……え!?

 ユリとカミュは同時に驚く。パッとその場に現れたのはサンディだった。

「サンディ、また姿が見えないと思ったらマヤちゃんと一緒にいたの?」
「まーね!じつはアタシとマヤ、ズッ友になったのよ!」

 ……ズッ友?

「アンタたちが魔王討伐の旅にいっている間、アタシがマヤのそばについて守ってあげるから安心しなさい!」
「サンディ、面白いんだぜ!へへ、もうひとりじゃないから、兄貴は安心して行ってきてよ!」
「ま、まあ、マヤのそばについてくれるヤツがいりゃあ安心だが……」

 カミュは隣のユリをチラリと見ると、彼女は悩ましげに額を手で触れている。

「……待って。サンディはマヤちゃんに悪影響を与えるかもしれない」
「ちょい待ちユリ!悪影響ってどーゆー意味よ!?」
「いや、悪影響もなにもマヤはもともと口悪ィし、手遅れだからな……」
「なんだよ、兄貴!同じ育ちの兄貴には言われたくねーっての!」

 ほらな、と苦笑いをするカミュに、ユリも釣られて笑ってしまう。マヤとサンディが意気投合して、友達になったのはよくわかった。

「マヤちゃん、サンディのことをよろしくお願いね」
「うん、まかせて!」
「え、逆じゃん?ってかさ、もしかしてユリ……」

 サンディはそう言うな否や、ユリの周りを観察するようにぐるりと飛んで、やがて口を開く。

「アンタ、アレ持ってるんじゃない!?」
「アレ?」

 なんか、つい最近もこんなやりとりしたような……。

「アンタから『スノーケサランパサラン』の気配がする!」
「ああ……」

 ユリはポーチから「これ?」と、小瓶を取り出した。

「そう、これよこれよ!今妖精たちの間でケサランパサランがちょーーー大流行してて、最先端をいく妖精はみんな持ってんの!」
「へえ、この雪みたいなキラキラしたヤツがケサランパサランなのか」
「そもそもケサランパサランってなんなんだ?」

 興味津々に見るマヤに続いて、カミュがサンディに聞くと、何故かサンディはえっへんと得意気に教える。

「謎の物体、ケサランパサラン。その正体は……幸運を呼ぶとされる謎の綿毛!どう?驚いたっしょ!」

 ……いや、綿毛なのは見ての通りだし、結局謎なのかよ、とカミュは心の中でつっこんだ。同時に変なものが妖精たちの間で流行してんだなと思う。

 ちなみに、地域によって色んなケサランパサランがあるらしい。

「ね!ユリ、お願いっ!それ、アタシにチョーダイ!ケサランパサランって妖精でもなかなか見つからないの!アタシのとっておきのものと交換してあげるからさ!」
「そんなに欲しいならいいけど……はい」
「ありがとーー!これでアタシも最先端をいく妖精よ!代わりにアンタには……はい、これね!」

 ユリはサンディから『謎のタネ』をもらった!

「…………」

 ユリはなにも言わなかったが、思いっきり眉間にシワを寄せている。

「どーゆーカオ!?ちょーすごいタネなんだからね!植えて育ててみ!?」
「なにが育つの……?」
「そりゃあ育ててみての、お・た・の・し・み♡なんつって」

 ユリは謎のタネに不信感を持ちながらもポーチにしまった。

「あー!信じてないでしょ!ちゃんと愛情持って育ててよ!水は1日1回でいいから!」
「えぇ……そもそも旅の中で育てられないし」
「てゆーか、相棒ってなんなのさ!アンタの相棒はアタシじゃん!?」
「それは断じて違う」

 騒がしく飛び回るサンディに、ついにユリは耳を両手で塞いでシャットアウトする。

「……なんか、ユリさんって話すと印象が変わるっていうか……」
「まあ、普段はわりとボンヤリしてんからな。誰に対してものほほんとしてるし、話しやすいだろ?」

 カミュの言葉に「……うん」とマヤは小さく頷き、今度はにっと笑った。

「相棒止まりで可哀想だから、兄貴のこと応援してやるよ!二人が結婚したらユリさんが姉貴になるんだろ?まあ、悪くはないかな」
「はは、結婚って気が早いだろ」

 ……――ずっと、結婚なんて興味がなかったし、自分には無縁のものだと思っていた。でも、今は。(オレだって、ユリと最終的に行きつきたい先は……)

 ……。何故だろうか。

 その二文字が魔王討伐より困難かつ長き道のりに感じるのは。


「……ユリ。これ、また預かってくれよ」
「いいの?」

 マヤと別れた帰り道、カミュはユリにあるものを差し出す。一度、カミュに返した愛用の短剣だ。

「……ありがとう。私を何度も助けてくれた……頼りになるお守りなんだ」


 使い込まれ、丁寧に磨かれた短剣は、再びユリの元へ……。いつか、別のものを贈るまでは。


「やれやれ、雨降って地固まるとはこのことじゃな」

 ――仲睦まじく帰ってきた二人を、仲間たちは優しい眼差しで待っていた。

「そういえば、みんなにまだ言ってなかったよね。じつは、カミュが……」

 ――!?

 まさかのここで重大発表か!?その場に緊張が走る。

「相棒になってくれたの!」

 無邪気にユリは言った。それはもう満面の笑みで。一斉に同情の眼差しがカミュの方へ向く。(……やめろ!)

「ああ、カミュさま……なんておいたわしや……。私がもう少し早く再会してましたら恋のアドバイスができましたのに……」

 そのセーニャの反応にカミュは思う所はあれど、まずはシルビアとマルティナにギロリと視線を向けた。二人はカミュの物言いたげな視線に気づかないフリをした。(こいつら、余計なことをセーニャに話したな……?)

「ユリさま、相棒ができたとは喜ばしいことですね」
「うん!」

 一人だけ、同情ではなく珍しくにこにこと笑顔になっているのはホメロスだ。

「カミュが相棒とは適任だ。なんせ勇者の相棒の肩書きを持つ者……きっと、ユリさまにとってもいちばんの相棒になるに違いない。そう、生涯の相棒にな!」

 "生涯"を強調して笑顔で煽ってくるホメロスに、やっぱコイツいけすかねぇとカミュのこめかみはブチッとなる。

「おい、ホメロス。やっぱ一発殴らせろ。左頬、差し出せよ」

 人差し指をちょいちょいと動かし、カミュは挑発し返す――も。

「うむ、左側から見たカオの方が気に入っているのでな。右側の頬で頼む」
「なんだコイツ!」

 本気なのか冗談なのかわからないホメロスの言葉に、カミュの溜飲は急速に下がってしまった。

「……殴らなくても、てめえにはマヤの件があるからな。それでチャラにしといてやる」
「……はて。なんのことかな?」

 背を向けて言うカミュに、とぼけるホメロス。似た者同士のような二人に皆はこっそり笑う。どうやら、こちらも上手く収まったようだ。

「姿が見えないと思ったら、サンディさまはカミュさまの妹のマヤさまと一緒にいられるんですね。さびしいですが、マヤさまは安心ですね」

 ユリにとっては安心とは言い切れないが、サンディが旅についてきても頭が痛いので、逆にマヤには感謝している。
 今度こそ心置きなくゼーランダ山へ向かえると思うユリに、マルティナが話しかける。

「ねえ、ユリ。聖地ラムダに向かう前に、行きたい場所があるの。あなたに会いたいと言う方がいて、先に会いに行きましょう」

 私に会いたい方……?不思議そうな顔をするユリに、仲間たちは意味ありげに笑った。





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〜夢主専用クエスト『わらしべ長者?』〜

青いサンゴ→大粒の真珠→かぐわしい香水→腐敗の魂石→スノーケサランパサラン→謎のタネnew!


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