おまけ





机の上でノートを広げてぼーっとしている水谷の前に、ハルはひょっこりと顔を出す。彼女はホガッという悲鳴をあげて飛び退いた。これまた色気のない……。何度もいっているが、水谷に色気なんぞ期待するだけ無駄である。少し、気にはなるけど。



「水谷……お前もう少し色気のある声出せないのかよ」

「うるさい!」

「てめーなぜ俺たちをシカトする」

「さっきから呼んでんだぜ」



返事は返ってこない。水谷は黙ったまま顔を真っ赤にしていた。おー、お熱いですねぇ……。つーかハルのこと意識しすぎじゃねえか?少しもやもや。ハルが取られるから、だろうか。この間ももやもやしてたな。首を傾げる。
水谷はいきなり立ち上がると、大きな声で叫び出した。なんだなんだ、何事だ。それを無視してハルが何かを見ながら声をあげた。



「あっ」

「どうしたハル」

「あれっ」

「ん?」



ハルが指差す方向を見る。そこには2人の男がにわとりを抱えていた。にわとりいじめたらコロスって文字が見えなかったのだろうか。まあいい。処刑の時間だ。



「行くぞハル」

「おう」



俺とハルは教室を飛び出した。男たちはそれに気付いてしまったのか、まずいという表情である。そんなのは知らない。段ボールに警告は書いておいた。無視した奴等が悪いのさ!



「「にわとりいじめんなーっ」」

「「キャー!」」



ハルと大乱闘開始。にわとりは俺等を応援するかのようにバサバサしている。
ちらっと水谷を見ると、後ろから話し掛けている女に気付いていない様子だった。えっ、水谷、いくらなんでもそれは可哀想だろ、気付いてやれよ……。








10.5 おまけ







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