おまけ
次の日、俺とハルはあの日以来の登校となった。
校門の前まで来て入ろうとしたんだが、ハルが俺の腕を引っ掴み、校門の前でガクブルと震えている。何かを待っているっぽい。何を待っているのかは予想がつくが。
それより何だか変な目で見られていて、若干怖い。因みに視線の主は女ばっかり。ギラギラした目線で見られている。ふ、不審者じゃないですよー……っと。
その時。
「シッシズク!!あ、足がすくんで動けねぇっ」
「なんでこんなとこいるのよっ」
「ハルが足が竦んで動けねぇから?」
「分かってるわよ!」
水谷が登場。来てくれて何だか助かった気がする。ハルは俺の腕から水谷の傍にすっ飛んでいった。そこからハルはカルガモの如く、水谷の後ろを着いて離れない。俺がその後に着いていっているので、これじゃあまじでカルガモの親子みてえじゃねえか。
「プッ、なんだアレ」
「「あ?」」
ハルを笑う(多分俺のことも)男の声が聞こえてきて、思わず反応してしまう。ピキーンときたからな、なんかピキーンとな。
水谷が他人のフリをしようとして、そそくさと去ろうとしていたので、襟首を引っ付かんで引き止めた。水谷がぐえっと色気のない声を出したがそれはもう気にしないことにする。水谷=色気なし。はいここテストに出ます覚えておくように。
とりあえず……今日初めてクラス全員が集まったみたいだ。まあ、あの日から俺等ずーーーっと休んでいたからなんだが。席順は俺がハルの右隣でハルの向こう側が水谷。水谷の席の方が窓側ですこし羨ましい。
「でも驚いた。ほんとに来たんだ」
「……来るよ」
「ハル、今日まじびっくりするくらい早起きだったもんな。俺よりも早起きだったからな」
「亜希!!」
ギャアギャアと騒がしい。その会話に混じりながら昨日の事を思い出していた。
あのハルの、「性的な意味」発言の後のことだ。
「ちょ、ちょっとまって!! そ、それってたぶん刷り込みというか、亜希の他に友達居ないから勘違いしてるんだと思う」
「あ? ……じゃあ俺に友達できてからだったらいいのかよっ。それに亜希は友達じゃねえ! 兄貴だっ!!」
「そこじゃねえよ、ハル」
ハルはまさかの発言。まず論点が違う。そこじゃない。しかもその言い方だと自分から友達は居ないと宣言しているようなものだ。
ハルは少し悲しそうな顔をして溜め息を吐いた。
「わかったよ。でもたぶん、かわんねーよ。俺はきっと、おまえのことすきだよ」
ハルが再び、そう告げた。水谷の頬がほんのりと染まる。それを見て、俺は少し水谷のことを可愛いな、と思ってしまった。
3.5.おまけ。
【
*前】【
次#】