「姫様。夜ト神と何をお話しされていたのですか?」
「ん。あの生霊の子のこと。」
高天原のある凪沙の社に帰ってきた一行はそれぞれの部屋に戻っていった。
彼女の側に居るのは虹歌。
「えっと…、壱岐ひよりさん、でしたね。」
「そう!」
職務室の大きな椅子に座りながら凪沙が答える。
夜トから「生霊の女を元に戻す方法を教えてほしい」と一報があったのはつい最近のこと。
様子を見に行こうと此岸に行けば、野良に襲われているところを発見したのが事の始まり。
「無意識で抜けちゃうんだってさ。」
「それは彼岸に近いからではないのでは?」
「そう思うよね。あたしもそう思うよ。」
「なら、こちらの世界との縁を切ればよろしいんじゃないですか?」
「…………虹歌って可愛くないとこあるよね〜。」
「なっ?!か、関係ないじゃないですか!!」
顔を真っ赤にさせながら反論してくる虹歌を見て笑う凪沙。
虹歌は20歳。20歳で死んだ。望まれない死を迎えた。それが運命と言われればそれまで。
だから凪沙は、神器と笑う家庭を強く望んだ。
――バンッ
「姫様〜っ!見てください!月歌が作ったんです!」
「こら、夏歌。職務室に入るときはノックしなさいって言ってるでしょ?」
「あ、虹歌姉さん。ごめんなさ〜い。」
「あんた……っ!」
勢いよく入ってきた夏歌に怒る虹歌はほんとにお姉さん的存在だな、と思って関心してると「はい、ひめさま。」と花かんむりを差し出してきたのは一番幼い月歌。
月歌は6歳で命を落とした。まだあどけなさが残る月歌はつい1カ月くらい前に神器になったまだ新米。
先輩神器たちが積極的に接してくれてるおかげで、実戦ではまだ助言が必要だが徐々にチカラをつけてきている。
「これ、くれるの?」
「うん!ひめさまのためにつくったの!」
「ありがとう。大切にするね。」
「ふふふっ。」
「すごいですよねーっ月歌、それ1人で作ったんです!」
自分のことのように楽しそうに話すのは明るいのが特徴の夏歌。
彼女は18歳だった。
「あれ、ポニーテールやめたの?」
「なんか愛歌が急にお団子にしたいって言いだして…っ!なんか落ち着かないです〜!」
よくしゃべるのも夏歌の性格。月歌が新しい神器がくると1番早く仲良くなるのは夏歌。
虹歌ほど頭は回らないけど、その明るさには凪沙自身も助けられてる。
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