「妖の分際で気安く話しかけないでくれる?」



野良はひよりにそう冷たく言い放つ。



「クスクス お似合いよ。妖同士、じゃれ合っていればいいわ。」



ひよりの後ろには面を付けた多数の獣――妖達。
間一髪で木の上に避けたひよりだったが、そんなのは束の間。すぐに妖たちはひよりの尾を狙って噛みついてくる。




「きゃっ!」


妖達は唸り声をあげながらひよりの着物に噛みつく。
彼女は歯を食いしばりながら妖達を追い払い、高い塀を逃げる。




「ど、どうして私を襲わせるの?!私も夜トが心配なだけ!
危害なんて加えない!!」



着地を間違えれば確実に妖に食われる。
ひよりは地に足を付けぬよう信号機の上などに飛び乗っていく。



「……理由?」


それをゆっくりと追う野良は不適な笑みを浮かべて言う。



「気に入らないからよ。」











「あー私も気に入らないわ。」


――パンッ


「?!」


その声を共に飛んできたのは、1発の銃弾。



「あなた。いつまで夜トにご執心なの。」



月の明かりに照らされたのは、グレーの髪がやけに目立つ女性だった。





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