新入生歓迎会と組分け
辺りも暗くなる頃、ホグワーツへと到着した。長時間座っていたせいか、体があちこち固くなっていた。マルティナは伸びをして、体の凝りをほぐそうとした。
「うーん、あんなに長時間座ってたら岩みたいにカチコチになっちゃうわ」
「確かにそうだね。荷物は置いていっていいのよね?」
「ええ、そうよ。さて、新入生はどちらに行けば良いのかしら?」
二人が列車を下りるとそこは、暗い小さなプラットホームであった。すると、人の2〜3倍はあろうと思われる大男が居た。
「イッチ年生!イッチ年生はこっち!」
その男の後に続いて、暗く細い道を暫く歩いていった。すると、開けた場所に出た。そこには、大きな湖があり、高い山が後ろにそびえていた。その山にはたくさんの塔がそびえ立つ巨大な城があった。それこそがホグワーツ魔法魔術学校である。
皆は感嘆の声をあげた。ラヴィニアと、マルティナも思わずほう、とため息を着いた。
そして、ホグワーツへ向かうため、湖を四人乗りのボートで渡った。大男の指示により、ボートが動き出すようになっていた。
ボートが向こう岸に着き、地下通路のような道を歩いていった。すると、大きな扉の前に着いた。大男が戸を叩くと扉が開き、中からエメラルドのローブを着た女性が現れた。ラヴィニアは彼女を知っていた。そう、マクゴナガル先生である。
大男とマクゴナガル先生は一言二言話す。話が終わると次は、マクゴナガル先生が案内をしてくれるようだった。暫く進んで、大広間のようなところへと続く玄関ホールに出た。中には上級生がいるのか、騒がしい声が聞こえた。マクゴナガル先生は、その隣の小さな部屋へと新入生を案内した。
「ホグワーツ入学おめでとう」
彼女はそう言うと、4つの寮(グリフィンドール・ハッフルパフ・レイブンクロー・スリザリン)、そしてその4つの寮がそれぞれ点を競い会う寮杯、また組分けの儀式について説明をすると、準備のために部屋を出ていった。
マクゴナガル先生が去った部屋の中は、組分けの方法についてさまざまな憶測が飛び交うようになった。ラヴィニアとマルティナもまた同じく。
ガチャ、と扉が開きマクゴナガル先生が次の指示を出した。
「さあ行きますよ。組分け儀式が、まもなく始まります。一列となり、ついてきてください」
小さな1年生たちが列になってぞろぞろと歩き始めた。玄関ホールへと再び出て、二重扉を通って大広間へと入った。中には数えきれないほどの蝋燭が浮かんでおり、4つのとても長いテーブルがあった。そこには上級生が座っており、金色の食器やゴブレットが置いてあった。
広間の一番奥にも長いテーブルがあり、教師たちらしき人が座っていた。その真ん中には、白くとても長い髭をはやした老爺がいた。その人こそ、アルバス・ダンブルドア校長であった。
だが、ラヴィニアはいったいどのように組分けのだろう、と心配していた為、目に入らなかったのであった。魔法を使うことになったらどうしよう、特技を教えて下さい等と言われたら特技なんか無いと言うしかない。などと、考えていたがそれは杞憂に終わった。
マクゴナガル先生は1年生の前に四本脚の丸椅子を置き、その上につぎはぎだらけのボロボロな尖り帽子をのせた。ここまでボロボロなのは見たこと無いと、
ラヴィニアを含め皆が思ったであろう。
皆がその帽子に注目したおかげか、誰もしゃべろうとはせず、しん、とした空気が広がった。
すると、そのボロボロ帽子のつばの縁の破れ目が口のように開き、歌を歌い始めた。
略すとこうなる
勇猛果敢な生徒が集うのはグリフィンドール
誠実で苦労を厭わない生徒が集うのはハッフルパフ
学ぶ意欲があり、賢い生徒が集うのはレイブンクロー
目的の為どんな手段でも使う狡猾さがある生徒が集うのはスリザリン
歌が終わると、マクゴナガル先生は長い羊皮紙の巻紙を手に前に出た。
「ABC順に名前を呼ばれたら、帽子をかぶって椅子に座り、組分けを受けてください」
ラヴィニアの名字はAlford(アルフォード)で、1人しか前に居なかった為2番目に呼ばれた。
「アルフォード・ラヴィニア!」
ラヴィニアはそそくさと、前に出て椅子に座った。帽子を被ると、目の前が真っ暗になり、耳元で声が聞こえた。
『ふむ、君はなかなかに面白いね。』
ラヴィニアは、予想してない事態、つまり帽子がしゃべったということに、ビクッと肩を震わせた。帽子はそれを気にせずしゃべり続けた。
『己の過去の記憶を求める、か……。例えそれが、君の人生を良き道へと正すために消されていたのだとしても?』
ラヴィニアは、何のことかと疑問に思った。記憶を消されていた?いつ誰に、何のために?私の過去を知る人物か、あるいはほかの……?
『過去の記憶を求めるのは構わないが、知っても取り戻したことを後悔することになるだろう。それでもよいのかね?』
「後悔したとしても、それは私の過去。自分の家族を見つけ、取り戻すため。……私は構いません」
「よろしい、そんな君のためにはこの寮が良かろう。……君の人生が、狂わないことを祈ろう」
ラヴィニアには、最後の一言が聞こえていなかった。帽子との問答は終わった、そう思った瞬間。
「グリフィンドール!!」
無事に終わった。ラヴィニアはすぐさまそう思った。マルティナの居る方を見ると、微笑んで拍手をしてくれていた。彼女のファミリーネームはWilhelms(ヴィルヘルムス)。暫く時間がかかるだろう。
次に呼ばれたのはエドマンド・アヴァロン。漆黒の髪に蒼い瞳。マルティナよりも白い肌は逆に病人のようにも見える。そんな彼もまた、グリフィンドールに組分けられていた。
グリフィンドールのテーブルに着くと、見知った顔が居た。赤い髪の青年、ウィリアム・ウィーズリーだ。
「やあ、ラヴィニア!よくグリフィンドールに来てくれた。歓迎するよ、こっちは僕の弟のチャーリーとパーシーだ」
そう言って紹介されたのは、同じ赤毛でもがたいの良い青年と、そばかすがある少し背の高いひょろっとした少年だった。
「5年のチャールズだ。宜しくな」
「3年のパーシー・ウィーズリーだ。君も大変だな、あの双子と同じで」
チャーリーは明るい感じの良い男だった。反対に、パーシーは眼鏡をかけており、勤勉で気難しそうな雰囲気が出ていた。