少年の悩み

ハリーたち一年生が入学してから1週間がたった。初めての魔法の授業に、感動したり、疲れたりしている様子が見られるようになってきた。

ラヴィニアは朝ごはんを食べに大広間に来ると、ハリーとウィーズリー家六男のロンが話しているのを見た。二人は仲が良好のようだ。

「今日もまた魔法薬学だよ、最悪だ」

ハリーが心底嫌そうにロンに話しかけた。

「ほんとだよな。あいつ、スリザリンの連中貞操しやがって、僕らのこと減点しまくるし」

どうやら魔法薬学教授のスネイプの話らしい。確かに、あそこの寮監は贔屓が激しすぎる。

そこへフレッドとジョージがやって来た。

「はは、諦めた方がいいよ。スリザリン以外で点を貰えるなんて有り得ない話だ。なあ、ジョージ」
「そうそう。貰えるのはスリザリンの者だけさ。まあ、ここにいる赤毛のお嬢さんは別みたいだが……そうだよな、ラヴィニア?」

コーンスープを飲んでいた ラヴィニアは、急に話をふられて吹き出しそうになった。隣にいたマルティナは、またかというような目線で見ていたが、ポケットからハンカチを取り出してラヴィニアに貸していた。

「嘘だろ!?あいつが点をいれるなんて想像できやしないよ!えーと、名前は……」

ロンがすぐさまその話に食い付いた。席を立ち上がり、ラヴィニアの方を見て叫んだ。

「ラヴィニアだよ、ロニー坊や」
「上の兄貴達が言ってたよ。スリザリン以外でもらえることがなかった寮点が、ラヴィニアだけはもらえるんだって。あいつ、何考えてるんだろうな」

フレッドとジョージは首をかしげて考えたが、3年となった今もわからないのである。

「ラヴィニアでしたっけ?どうして寮点をもらえるのか、本人であるあなたでもわからないんですか?」

ハリーがラヴィニアに直接聞いた。ラヴィニアはええ、とうなずいた。

「最初の授業のときにできた魔法薬を提出したときからずっとそうなのよ。点を貰えなかったときもないし、減点されたことも1度もないわ。」

「すげーっ!いったいどんな魔法薬なんだか見てみたいよ!」

ロンは大げさに驚いた。だが、それほど点をくれない寮監なのである。彼の考えは、本人にしかわからなかった。



最近、僕には悩みごとが増えた。

元からの悩みは、ダーズリー一家との事なので、今更どうしようもないことは僕が一番わかっている。

新しい悩みとは、死んだ家族のことだ。

悪い魔法使い、ヴォルデモートが、両親を殺したとハグリッドが教えてくれた。

そして、僕には二つ年上の姉が居たと教えてくれた。僕は、姉さんが居たと昔聞いたことがあったが、本当だと思っていなかった。なにせ、ダーズリー一家は何も教えてくれないし、聞いてはいけなかったからだ。

姉さんの名前はマーガレット。ハグリッドが教えてくれた。ハグリッドは、姉さんについてはよく知らないみたいだった。彼は姉さんを見たことがないと言っていた。知らなくてもしょうがないと僕でもわかる。

ホグワーツに行く特急のなかでは、ロンとネビルのヒキガエルを探していたハーマイオニー・グレンジャーという女子が教えてくれた。僕がいかに家族のことを知らないか、ここでとても思い知らされた。

聞いたはなしをまとめるとこうなる。

僕の両親が殺されて、僕と姉さんの二人になった。ヴォルデモートは僕を狙って呪文を唱えた。そして、僕は何故か生き残り、ヴォルデモートは消え去った。ならば、姉さんは無傷のはず。

いや、僕を狙う前に姉さんに何か呪文を唱えたとしたら?何も覚えていない僕が赤子のときのはなし。こうなっていたら、わかるはずがないのだ。

結論として、姉さんは死んだことになっている。どこにも情報がないのだ。そうなっても仕方がない。


だがもし、マーガレット姉さんが生きていたとしたら?どこかで会えるかもしれない。彼女も魔法使いの娘。きっと何らかの方法で見つかる。僕はそう思った。

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