波乱のクィディッチ
ラヴィニアが競技場につくと、だいぶ時間がたっていた。応援席にあがると、なんとエドマンドがいた。
「あら、エドマンド!あなたも来てたのね」
彼のとなりが空いていたので、ラヴィニアはそこに座ることにした。
「フレッドとジョージがエドも来いよってしつこくてね。あまり興味はなかったけど、見てて面白いよ。リーの実況も笑えるしね。
彼らが人間ブラッジャーだっていう噂があったけど、本当だったね」
エドマンドは、相変わらず前髪を垂らしていたため、表情はわからなかったが、雰囲気から彼が楽しんでいると思えた。
すると突然、応援席から悲鳴があがった。
ラヴィニアは、ぼーっとしていて、何があったのかわかっていなかった。そこで、何があったのかと、エドマンドに聞いてみると。
「あそこを見ろ!ポッターが箒から落ちそうになってるんだ!」
「えっ、嘘でしょ……!ハリーが危ない!」
エドマンドは、ハリーの方へ指差してくれた。 ラヴィニアがみると、確かに落ちそうになっていた。箒が異常に揺れている。誰かに呪いでもかけられない限り、あの新品の箒がそうなるわけがない。
双子のウィーズリーが異変に気づき、ハリーへと近づいて自分たちの箒へと移動させようとするが、そのたびに箒は上へとあがった。無理だと思ったのか、双子はハリーの下へと滑空し、輪を描くように飛びはじめた。
それから暫くの間、箒とハリーの戦いは続いた。
落ちやしないかとヒヤヒヤしていたところ、急にハリーの箒は揺れなくなった。と思ったら、ハリーが急降下しはじめた。何が起こったのかと、応援席の人々は彼に注目した。すると、ハリーは手で口を押さえた。気分が悪くなったのかと思いきや、四つん這いになって着地した。そして金色の何かを吐き出した。
「スニッチを取ったぞ!」
金色のスニッチを振りかざし、ハリーが叫んだ。観衆は大喜びだった。
「やった!グリフィンドールの勝利よ!」
ラヴィニアは、嬉しさのあまりに隣にいたエドマンドに抱き付いた。エドマンドは、倒れそうになりながらも、背もたれに寄っ掛かりラヴィニアを支えた。頬が紅潮しているのが、前髪の隙間から見えた。
「おいおい、はしゃぎすぎだぞ」
「つい、嬉しくて……。ごめんね、エドマンド」
「ああ、次からは気を付けろ」
そんなことを会話していると、放送席のリー・ジョーダンが試合結果を叫んでいた。
「勝った!勝ちました!グリフィンドールの勝利、170対60で勝ちました!」
その日の夜、グリフィンドール寮では勝利の宴を開いていた。
マルティナもその中にいた。
「ごめんね、マルティナ。置いていく気はなかったのよ」
ラヴィニアは、置いていかれたと愚痴るマルティナへ謝っていた。
「……しらないわ」
つん、とそっぽを向き、ケーキを頬張るマルティナ。ラヴィニアは、どうしたものかと、アンジェリーナとアリシアの方へ顔を向けるが。彼女たちは肩をすぼめて、わからないと答えた。
マルティナとラヴィニアは、暫くその状態が続いた。が、マルティナは急に食べかけのケーキとフォークをテーブルに置いた。
「…………ホグズミード」
「へ?」
「……ホグズミードに、一緒に行ってくれるなら。ハニーデュークスでお菓子を買ってくれるなら…………許してあげても良いわ」
ラヴィニアは、目を点にした。こんなことでいいのか、と。マルティナから無理難題をふっかけられると思ってた彼女は、驚きのあまり開いた口がふさがらなかった。そして、クスクスと笑いながら答えた。
「ふふ、それで良いなら。ご要望お聞きしますよ、マルティナ」
マルティナは、 ラヴィニアのことを少しにらんだが、すぐに笑みを返した。
「マルティナらしいわね」
「ほんと、あの二人はああじゃないとね」
アンジェリーナと、アリシアがそのようにしゃべった。すると、マルティナが思い出したかのように、アンジェリーナの方を見た。
「……その、試合…………。見に行けなくてごめんなさい。私、あんな大口叩いたくせに……」
アンジェリーナは驚いた。彼女が、あのマルティナがごめんなさい、だなんてと。彼女が謝るところなんて、今まであったか?と、思い出したが記憶にはなかった。
「いいのよ、マルティナ。私も悪かったわ」
「そうね、お互い様だわ……」
今朝の問題は解決したようだった。その後、四人は寝るまでずっと笑いながら話していた。