戻りました

マーガレットの目覚めから二日後。あれからいくつかの検査を受けたが、どこにも異常が見られないので、マーガレットは学校に戻れることになった。休暇は明日までだったので、ギリギリ間に合ったようだった。

「マーガレット。君のことを心配してくれたある二人の生徒だけが君の正体を知っている。学校に戻ればわかることじゃから、名は言わぬがな 」

そう言って、ダンブルドアはウィンクした。ダンブルドアが姿現しを使い、マーガレットは彼にくっつく形でホグワーツへと戻ってきた。ホグワーツは記憶に有るものよりも、更なる雪で真っ白になっていた。

「さあ、君の友人が待っているよ。早く行っておあげなさい」

マーガレットは、立ち止まって振り返った。

「校長先生、最後にひとつ……。その、私の気持ちに整理がつくまで、マーガレット・ポッターではなく、ラヴィニア・アルフォードとして過ごしてて良いでしょうか?いつまでかかるかわかりませんが……」

マーガレットは、不安げな顔つきでたずねた。

「構わぬよ。整理がつくまで公表はしない。君は、十年近くもそうだったのだ。すぐにやっても、君の負担になるだけじゃろう」

マーガレットは、それを聞き安心したようで、不安は一掃した。

「ダンブルドア校長、ありがとうございます!」

そう言うと、深々と礼をした。ダンブルドアはそれを見て、にこやかな顔で
マーガレットが走っていくのを見送った。

「リリー、ジェームズよ。そなたの娘は生きておったぞ……元気で健やかにな」

ダンブルドアの呟きは、雪が降ってくる静かな空間にひそかに響いた。

マーガレットは、久々にグリフィンドールの寮へと戻ろうとした。すると、入り口の前に、見知った顔の二人が立って待っていた。

「マルティナ!それにエドマンド!」

「遅いじゃない!私を待たせる気なの!?」

マルティナは、彼女の姿を見るや否や彼女に抱きついた。言葉とは裏腹に、ほんとうは嬉しいのだろう、目からは涙が流れていた。

「ごめん、そしてありがとう。心配かけないようにしていたのに……」

マーガレットは、そっと抱き締め返した。エドマンドがそれを見てため息をついた。

「やれやれ、困った人だよ。俺まで巻き込むんだから」

「エドマンドも、私を医務室まで運ぶの手伝ってくれたんでしょ?ほんとうに、ありがとう。二人にはお礼をしなきゃね」

エドマンドは少し照れたのか、前髪の隙間から見える頬が赤らんでいた。

「お礼なんか良いのよ!あなたは大変だったんでしょう?さあ、ずっと寝込んでいたんだから、栄養を取って運動するのよ!」

「そうだな。ちょうど夕食の時間だ、下に行こう」

二人に言われて、マーガレットは大広間へと共に向かった。食べ終わった後も、談話室で三人は話していた。

そして、 マーガレットは自分が何者で、今まで何があったかを包み隠さず二人に話した。これから暫くはマーガレットと明かさず、ラヴィニアの名で過ごすことも。二人は、誰にも話しはしないと、ここで誓った。

就寝時間となり、三人はそれぞれ自室へと戻った。

「それにしても、あなたがマーガレットなんてね。考えたこともなかったわ」

「未だに信じられずにいるよ。マルティナ、これで私の記憶の秘密は無くなったわ。でも、まだ何かひっかかるの」

マルティナは胡散臭げな顔をしたが、すぐに普段と同じに戻った。

「あなたって、謎が多いわね……。あ、そうだ。二人だけの時はマッジと呼んで良い?せっかくあなたの本当の名前を思い出したのに、呼ばれないのは悲しいじゃない……」

「ええ、構わないわ。お母さんもそう呼んでたもの。でも、みんなの前では今まで通りラヴィニアと呼んでね」

マルティナはそれを聞くと安心して眠りについた。 マーガレットは、久々の寮のベッドで安らかに眠ることができた。

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