獅子寮の災難

マーガレットは、ラヴィニアとしてホグワーツで何事もなく過ごしていた。

ハリーたちに会ったときには、ロンとハリーに盛大に謝罪された。無責任なことを言って申し訳なかったと。

実際にハリーの姉のマーガレットだと、告げたときのことを考えると胸が痛んだが、今は自分で納得がいかないため、普通を装った。

そして、彼らはこんなことを聞いてきた。

「ねえ、ラヴィニア。ニコラス・フラメルって知らないかい?僕たちその人について調べてるんだ」

ハリーが言った。

「ニコラス・フラメル?どこかで聞いたことあるけど、わからないわね。どうしてその人のことを?」

マーガレットはそう答えた。と同時に、何故その人のことが気になるのかたずねた。ハリーたちは言葉を濁した。どのように答えていいのかわからない様子である。

「答えられないならそれでいいよ。でも、あなたたちが読みそうにないジャンルだった気がするけど……。ごめんね、役に立てずに」

「構わないよ、ありがとう」

ハリーがそう言うと、ロンとハーマイオニーも図書室へと向かっていった。

マルティナは、彼らをいぶかしげに見ていた。

「あの子たち、なに考えてるかわからない行動とるわよね。……さて、次の授業に行きましょうか」

「そうね」

そう言って、彼女たちは変身術の教室へと向かった。




「Ms.アルフォードが、課題である蝶への変身術を見事成功させました!グリフィンドールに5点差し上げましょう」

「凄いわ、ラヴィニア!」

授業でマーガレットは、グリフィンドールにまたも点を入れた。グリフィンドールは今、寮杯で一位をとっている。今年こそスリザリンに勝てる!と意気込んでいた矢先のことだった。

「何これ!グリフィンドール減点されすぎよ!」


イースター休暇が明け、学年末試験が近付いてきた日の朝のこと。なんと、グリフィンドール寮点が150点も引かれていたのであった。

減点の理由は、浅はかな一年生たちが夜中に抜け出していたことであった。しかも、ハリー、ハーマイオニーに、彼らを探そうとしたネビル・ロングボトム。何故かロンは医務室に入院していた。そして、おまけではあるが、スリザリンのドラコ・マルフォイが一枚噛んでいたらしく、スリザリンも20点減点されていた。

おかげで、グリフィンドールが優勝することは目に見えて無くなった。ハリーたちは、グリフィンドールだけでなく、ハッフルパフ、レイブンクローの生徒たちからも冷えた目線を集めてばかりだった。そして、スリザリンの生徒からはヤジをとばされていた。



「ははっ、愚かな一年生だ。森番のドラゴンがどうとかこの前に騒いでいたが、それが関係していたか」

エドマンドは朝食の席で忌々しそうに言った。彼も闇の魔術に対する防衛術や、古代ルーン文字の授業で点数稼ぎをしていた。それだけにショックもある。

マルティナも今回は許せないという表情で朝食の席についていた。朝から皆ピリピリしていた。

マーガレットも、朝食の席には居づらかった。なにせ、ハリーがあのようなことをしていたのだ。もし、彼の姉だなんて公表していたらと考えると……おぞましかった。


今日も授業が終わり、寮に戻る途中。マルティナが話しかけてきた。

「ねえ、マッジ。あの子たち、絶対なにか変よね?」

「なにが?」

マーガレットは、マルティナが言おうとしたことがわからなかった。

「一年たちよ!最近やたらと調べものばっかりして、夜中に抜け出して。挙げ句の果てには、せっかくあなたが稼いだ点数を減らしてさ!フレッドとジョージだって、あそこまで減らしたことはなかったわ。ねえ、問い詰めましょうよ!今隠してはいるけど、ハリーはあなたの弟よ!何やってるか知りたくないの?」

マルティナが声を荒げ、マーガレットの肩を鷲掴みにした。マーガレットは確かにそうだとは思ったが、問い詰めることまでは考えていなかった。

「ねえ、マッジ。これがグリフィンドールの点数なんて私は嫌よ。エドマンドが言ってたじゃない。森番のドラゴンがどうとかって。あの子たちが何考えてるのか聞き出さなきゃ、私は気が済まないわ!」

マルティナが言うことは、正論だとマーガレットは思った。

「……確かに。彼らが考えてることは、普通じゃないかもしれないわ。マルティナの言うことも一理ある。……聞くしかなさそうね」

マルティナは悲しげな顔をする彼女の答えを聞くと、二人はグリフィンドール寮へと早足で戻っていった。途中、廊下のベンチに座って本を読んでいたエドマンドを見つけたので、彼も巻き込んだのであった。

「どうして俺まで……。面倒事はごめんだよ」

「エドマンド、あなたも今朝言ってたでしょ。一年の愚かな失態で、グリフィンドールの寮点が減点されたことを。今からその一年生を問い詰めに行くところなのよ。少し付き合ってちょうだいな」

「まあ、それなら仕方ないな」

こうして、寮へと三人は戻っていった。

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