謎の声とパーティー

月日は流れて、秋の終わりへと近づいていく。ともに、ハロウィーンの日が近づくに連れて、ダンブルドア校長が余興として骸骨舞踏団を招いたという話が飛び交った。

「骸骨舞踏団ってどんなものなのかしらね?」

夕食に向かう途中、マーガレットはマルティナに話しかけた。

「さあ、どんなものかしらないけど、骸骨の姿でもしてるかもね」

「名前が骸骨だし、そうじゃないなら検討外れかな……」

そんな時、後ろから名前を呼ばれた。

「ラヴィニア!マルティナ!」

振り替えると、フワフワした栗色の髪を弾ませながらハーマイオニーが走って来た。いつもハリーとロンと一緒にいるため、一人でいるのは珍しいことである。

「あら、ハーマイオニー。一人なんて珍しいじゃない」

「ほんとね、どうしたの?」

二人は立ち止まると、ハーマイオニーが来るのを待った。彼女は近くに来て立ち止まると。

「ねえ、絶命日パーティーって知ってる?」

息急ききって、ハーマイオニーはたずねた。

「ぜつめいびパーティー?さあ、聞いたことないわ。ラヴィニアは?」

「私も。なあに、それ?」

二人は顔を見合わせて困惑して、わからないという顔をした。ハーマイオニーは「そう」と、残念そうな顔をした。

「ハリーから、ほとんど首無ニックの絶命日のパーティーに誘われたの。行くって答えたけど、どんなものか知りたくて。二人なら知ってるかなと思ったの」

「残念だけど知らないわ。でも、生きてる人間が行くのが良いこととはあまり思えないね」

「ラヴィニアに同意ね。ゴーストの集まったとこなんて、きっと寒いでしょうね……。ああ、想像するだけで震えてきちゃう」

マルティナは白い顔を青くした。彼女は怖いものがとても苦手なのである。

「ああ、ごめんなさいマルティナ。申し訳ないことしたわ。……二人ともありがとう、またね」

そういうと、ハーマイオニーは足早く立ち去った。

「うう、絶命日パーティーなんて、絶対宜しくないわ。ゴーストだけでも嫌なのに」

「そうね、ハーマイオニーが私たちを誘わなくてよかったわ……」

マーガレットは苦笑いしてマルティナを見た。マルティナは未だに青ざめた顔をしていた。




さて、あれから1週間が過ぎた今日は10月31日。ハロウィーンがまたやってきた。もちろん、悪戯仕掛人のフレッドとジョージはこれでもかというほどゾンコで買った悪戯グッズを使い、フィルチを悩ませていた。

「相変わらず派手だね、あちこちカボチャだらけだよ」

「骸骨舞踏団どんなものか早く見てみたいわ」

と、今まで以上に楽しみにしていたハロウィーンパーティーは大盛り上がりであった。ハリーやロン、ハーマイオニーの姿がこのとき見当たらなかったことから、やはりほとんど首無しニックの絶命日パーティーに行ったのだろう。マーガレットは、どんなものなのか後で聞いてみようと思ったのであった。

ロンの妹のジニーも見当たらなかったが、ここ最近体調悪かったことから部屋で休んでる可能性が高い。ホグワーツでは10月に入ってからというもの、体調不良者が続出していた。元気爆発薬という薬があったが、それを服用すると暫くは耳から蒸気が発生し続けるため、皆それを避けようと医務室に行くのを避けていた。そのため余計に重傷者が現れていた。ジニーもまた、その元気爆発薬の被害者であった。

「あの子達、ほんとに絶命日パーティーに行ったのね」

「そのようね。普通のパーティーの方が楽しいと思うのだけど……ああ、おぞましい」

マーガレットは本来なら居るはずの彼らがいつも座っている席を見やった。ぽっかりとそこだけ綺麗に空いていた。マルティナは毎年のようにカボチャ系列の食べ物を頬張っていた。マーガレットも同じく、カボチャのジュースやグラタンなどを口にした。今日は全ての食べ物に大量のカボチャが含まれていた。

そして、骸骨舞踏団がパフォーマンスを始めた。皆はそれに夢中になった。グリフィンドールは特に弾けて叫んだ。他の寮もそこそこに騒いでいる。

そんなときだった。

「……引き裂いてやる……八つ裂きにしてやる……殺してやる……」

「……っ!?」

マーガレットは突如聞こえた微かで不気味な声に気づいて、おもむろに顔を上げた。食べていたパンプキンパイを皿に戻し、辺りを見渡したが、皆骸骨舞踏団に夢中になっており、マーガレット一人が不自然な動きをしていた。そのことに、隣にいたマルティナが気づいた。

「ラヴィニア……、どうしたの?」

「わからない、変な声が聞こえるの……」

そう言いながら、マーガレットは顔を強張らせた。

「……殺してやる……殺すときがきた……」

「……マルティナ、あなたはわからないの?殺してやる……って、そう言ってるの……!」

気が動転してしまい、マーガレットは小さな声でマルティナに声をかけた。そして、恐怖に身を縮こませ、耳を塞いだ。マルティナはその異常な反応に言い様のない危機感を募らせた。

「ラヴィニア!……寮の部屋に戻りましょう?きっと、少し疲れたのよ」

だが、マーガレットはそのまま動かず、ただ首を横に降るだけであった。マルティナは、とりあえず彼女を肩に寄り掛からせて歩けるようにした。

「ほら、歩けるでしょ。私も一緒だから、ね?」

「ごめんなさい、マルティナ……」

そして、二人はゆっくり寮への道を歩きだした。

ALICE+