ハリーの日記

僕は、自分が魔法使いだなんて思ってもいなかった。

まだ小さな頃、もう覚えていないが僕はこのダーズリー一家に引き取られた。両親と年がいくつか上の姉が居たらしいが、全員自動車事故で亡くなったそうだ。だが、ダーズリー夫妻は僕の両親と親しかった訳ではないようで、家族について一才話してくれなかった。

そのとばっちりか、僕を階段下の物置に住まわせている。ご飯も抜きにされたり閉じ込められたり、どれほど両親のことを嫌っていたのだろうかといつも疑問に思うが、また質問するとご飯抜きにされるのでやめといた。両親が生きていたら、そして姉が生きていたら。そう思うが、所詮は過ぎ去った過去のこと。どうしようもないのだ。

そんなことを思っていた矢先。僕が11歳になろうかというときだ。僕への謎の手紙が来るようになった。そう、来たのだ、ではなく来るようになったのだ。おじさんが破り捨てた一枚の手紙。それ以来、毎日毎日、飽きもせずに日曜だろうと何だろうと僕へ手紙を送ってくる。卵の中に入ってたり、暖炉から溢れるように舞い込んできたときの、恐怖と興味と奇妙な嬉しさが混ざった感情は、言い様の無いものだった。

そして、痺れを切らしたおじさんが車であちこちへと向かって、家から逃げるように飛び出た。その出先のホテルでも僕への手紙は送られてきていた。そしてまた、森のなかへむかった。と思うと次は海にたたずむ孤島のぼろい家だった。この日はとてつもない嵐で、強く降り注ぐ雨と吹きすさぶ風の音で眠れなかった。

夜中の十二時を回る頃。ドーンと、すさまじい音がした。何事かとライフルを持ったおじさんと、後ろに隠れるようにおばさんが二階から降りてきた。そして、音をたてて玄関のドアが壊れて倒れた。そこには、これまた凄いもじゃもじゃの髪と髭が一緒になった(例えるならサンタクロースの髪と髭の色を真っ黒にしたやつ)、背が高く横もある大男が立っていたのだ。

最初はびっくりしたけど、彼は僕をホグワーツに案内するためにやってきたルビウス・ハグリッドという人だった。ホグワーツの森の番人とやらをしているようだ。

そして、彼から僕が魔法使いだということ、両親も同じく魔法使いだということを教えてもらった。そこでやっと家族のことを知ることができた。母リリー、父ジェームズ、そして二つ違いの姉マーガレット。

ハグリッド曰く、両親が死んだのは確かだが、姉のマーガレットは行方不明だったらしい。いくら探しても見つからないために、両親を殺した男に彼女も殺されて、酷い目に合わされたのではないかという話で、死んだ扱いになっているとのことだ。

僕はその話を聞いて、誰も生きていないのだと思った。

ハグリッドが、姉のマーガレットとは、1度会ったことが有るらしい。赤毛で母に似た容姿だったそうだ。瞳の色も髪と同じ赤っぽいもので、癖毛なところが父に似ていたと。今生きていたらホグワーツでは今年度の三年生に当たるようだ。

僕とは色々と違う箇所が多かったというのが、率直に思ったことだ。だが、赤い髪と目というのは、なかなか目立つだろうなとこのとき思っていた。

ホグワーツに上がってから、グリフィンドールに割り振られた。ロンとも友達になれたし、魔法の授業も楽しいと思っていた。そんなとき、ロンの二つ年上の双子のお兄さんたちと仲良くしている女性に目をとられた。ウィーズリー一家よりも明るい赤く毛先に癖がついた髪、同じく赤い瞳。どこかハグリッドの言った姉の容姿と重なるのだ。彼女はラヴィニア・アルフォードというらしい。それ以外は訪ねるのに気が引けたのだ。

大人しそうで、優しげな雰囲気だった。これが初めて彼女に抱いた思いだ。そのうちもっと話せたら良いなと、思った。僕のお姉さんが生きていたらあんな感じなのだろうか?

「あなたがハリー・ポッターなのね。私はラヴィニア・アルフォード。宜しくね」

「ハリー・ポッターです。宜しくねラヴィニア」


ハリーの日記

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