企画5
一万打記念で書くキャラは
ドラコ・マルフォイとなりました
アンケート投票ありがとうございました
※魔法連載とは関係ないです
※時系列としては賢者の石にあたります
【夢主設定】
純血でドラコの幼馴染
他は御自由にお考えを
「マーガレット!久しぶりだな」
「ドラコ?」
ダイアゴン横丁に、ホグワーツに入学するのに必要な物を買いに来ていたマーガレットは、幼馴染の彼と偶然にも出会った。ドラコとは一ヶ月ぶりに顔を会わせる。
彼は青白い顔だが、頬はほんのりと赤く色づいてこちらへ走ってきた。まさか飛び付いてくるとは思わず、#夢主1#はよろけた。
「ドラコ、挨拶ぐらいまともにしなさい。……マーガレット、久しぶりだね」
彼と同じプラチナブロンドの髪を持つ父親は、威厳のある声を出す。
「……っと、お久しぶりです。ルシウスおじ様。ドラコ、いい加減離れてちょうだいな」
そう言うと、彼は渋々と離れる。
「今日は一人なのかい?」
「いえ、母と一緒に。父は執務がたまってるようなので、家に残るようにと母が……」
それを聞くと、ルシウスは白い顔を更に白くした。
「……そうか、デリックはまた……」
「あら、ルシウスじゃないの!シシーは一緒なのかしら?」
ルシウスがボソッと呟くと、女の声が飛び込んできた。
「お母様!」
「イザベル!」
声の主はマーガレットの母、イザベルだった。イザベルは、先代マルフォイ家当主、アブラクサスの妻の妹の子である。つまり、ルシウスとはいとこにあたる。
「イザベルおば様!お母上は、僕の杖を買いに行ってくれてるんです」
「まあ、ドラコ!また大きくなったわね。それじゃあシシーは近くにいるのね。久しぶりにお話ししたいわ〜」
「はあ、……でしたらお母様、私は自分で教科書見てきます」
イザベルはドラコの母、ナルシッサと話し出すと一時間以上はかかる。それをもう何年も嫌というほど目にしてきたため、マーガレットは一人で行動することに慣れていた。
「マーガレットはわかってるわね!でも、この人混みで一人は危ないわ。ねえルシウス、ドラコを借りても良いかしら?娘と二人なら良いでしょう!それとも、あなたも付いててくれる?」
有無を言わせない調子でイザベルは言う。ルシウスは諦めたようにドラコを差し出した。自分が息子たちに付いていくことは、己の妻とイザベルを二人きりにすることになる。それはつまり、自分が過去にやらかしたあんなことやこんなことを話されるということになり、デメリットしかないのである。
一方ドラコは、マーガレットと一緒に居れるのが嬉しいのか、ぱっと顔を輝かせた。マーガレットは、早くしてくれというように口をへの字にしていた。
「さて、教科書見に行きましょう」
「ああ」
二人は親と分かれると、書店に向かって歩きだした。ホグワーツに入学するまでまだ1ヶ月はあるが、それなりに買い物に来ている人が多く、道は混んでいた。
どうにか書店までついて、店員にホグワーツの一年生の教科書と言うと、すぐに用意してくれた。持っていた鞄に、店員が縮小魔法をかけてくれた本を入れる。そのあとは、有名なアイス店で親が迎えに来るのを待っていた。
「ねえマーガレット、君もスリザリンに入るだろう?」
突如、ドラコはホグワーツの寮について聞いてきた。
「そりゃそうでしょうね。純血だし」
マーガレットは、さも当たり前だという風に答える。他の寮など、考えたこともなかった。だが、一つだけ気になる寮があるのは確かだ。
それはレイブンクロー。
「でも、おばあさまが出たレイブンクローが気になるわ」
「何だって!?レイブンクロー?」
レイブンクローは、知識欲のある者たちが集まる。この寮はとても成績の良い者たちを輩出している。いや、成績の良いだろう者たちが集まっているのが正解か。
「スリザリンは両親もおじいさまも出てるけど、おばあさまが出たレイブンクローがどんなとこかしら。って、そんなことを思うの」
「そうか……」
ドラコは、彼女が亡くなった祖母に対して思いを馳せる様子を見て、少し悲しくなった。確かに、身内の出た寮に入りたいとは思う。でも、それでマーガレットと離ればなれになるのは嫌だった。昔からよく一緒に居たものがなくなるのは、とても気に食わないのだ。
いつのまにか悲しみから怒りへ、そして独占欲が沸いてきた。他にとられたくない、僕のものだという。
「なあ、マーガレット」
「なあに?」
「絶対スリザリンに入ると約束して」
今まで聞いたことない低い声だった。マーガレットは、周りの雑踏の出す音が無くなったかのように思えた。彼の声だけが、この世にあるかのような。
「僕は、君がいないスリザリン寮は嫌だ」
「……」
どうすればいいのかわからなくなった。
彼はこんな独占欲丸出しにするような子だったか?
暫くして、ようやくマーガレットは言葉を発した。
「そんなに心配しなくても、私はスリザリンに入るわ」
「本当に?」
「ええ、だって私は……」
続きを言おうとしたとき、母が名を呼ぶ声が聞こえた。
「マーガレット!ドラコ!」
「お母様、やっと終わったのね」
ドラコは、彼女の言葉が遮られたことに言い様のない気持ちになった。だが、両親がやってきたのを見て、その気持ちを心の片隅に追いやった。
「ふふ、ごめんなさいね。シシーったら、ルシウスが……」
「イザベル、やめてくれ!」
イザベルが話し出そうとすると、ルシウスは先程よりぐったりした様子ではあるものの必死に止める。
「あらぁ、ルシウスが悪いんじゃない。ねえ、シシー?」
面白がるイザベルに、ナルシッサはくすくす笑いながら答える。
「ベルの言うとおりよ。……あ、そうだわ!またホグワーツ始まる前に、ウィルトシャーに来てちょうだいな。美味しいお菓子を見つけたのよ。マーガレットも、喜ぶわよ?」
「本当!?じゃあ空いてる日があれば、ふくろう便で知らせるわ」
二人の女がキャピキャピとはしゃぐ様子は、十代の女子のようだ。
「マーガレット、ドラコが世話になったわ。また相手をしてあげてね」
ドラコと雰囲気がそっくりな彼の母、ナルシッサがマーガレットの頭を撫でた。
「いえ。こちらこそ、お邪魔したときはよろしくお願いします」
「それじゃあな、マーガレット!」
「ドラコもね、近い内に会いましょう」
マルフォイ一家は姿現しで帰っていった。マーガレットとイザベルも、それからすぐに姿現しでダイアゴン横丁を出た。
言おうとした言葉は、ご想像にお任せします
管理人の場合は『だって私はスリザリンじゃないと、あなたの婚約者候補になれないじゃない』と思いましたが……皆様はどうでしょう?