見た目はぱっと見、妹と同じくらいの年齢だろう。
でも、彼女は今は顔を赤くしとろんとした瞳で俺を見つめている。
彼女は見た目こそ女子高生と大差ないが、念願の成人を果たした本日の主役だった。
「りょう、くん。」
まだ残ってるお酒のグラスを両手で持ち、少しふらふらしながら、彼女は俺の名を呟く。
「なぁに?花奈さん」
「あのね、さっきからね、ぽわぽわのふにゃふにゃなの。
とろとろしてて、すごくきもちいいの。」
酔っ払ってる感想を言いたいのか、幸せそうな顔で俺に伝える。
「気持ち良さそうで良かった……お酒美味しい?」
少しゆっくりめに、頷く。
こんな幼い姿を今まで見せられなかったのか彼女の姉も少し甘やかし気味だ。
「眠いのか?それともお酒おかわり?」
「ん……」
彼女はグラスに残ってたお酒をぐいっと飲み、おかわり、と言った。
ぽわぽわのふにゃふにゃ、な彼女はおかわりが届くより前に、お酒が先に回ったのか、眠そうな瞳でいた。
「お酒飲むと眠くなるからね、仕方ないね。」
まだ寝たくないのか3杯目に突入したお酒を飲み、おかわりを要求する。
「ふにゃ……おしゃけおかわりぃ……」
かぁぁぁとさらに彼女の顔が赤くなる、ふにゃっと座る彼女はかわいいが、そろそろ酔い潰れそうな酔い具合なので仕方なく説得する。
「花奈さんは飲みすぎ、倒れちゃうよ?」
「いいも……ん……っ」
ふらふらな彼女は限界だったのか、こてんと眠ってしまった。
寝息を立てたり立てなかったりと不規則だが、彼女なら不思議ではない。
かわいい寝言をたまに言い、その度に俺は愛おしく思ってしまう。
「花奈さんは、俺のこと、どう思ってるの?」
聞いてしまった。
でも彼女は幸せそうな顔で返した。
「……かわいい、だいすき。」
かわいいのはあなたの方だ、と言いたいが詳しくは明日聞くことにしよう。
「俺も、花奈さんはかわいいし、大好きだよ。」
まだふわふわした感覚で胸がいっぱいである。
そもそも幽霊って酔っ払うんだ、でも自身を幽霊と形容したくはない。
酔っていた時の事はなぜかはっきりと覚えている。
隣には彼がいる、私の大好きな人である。
────まだもうすこし、酔ってるフリをしていたい。
「花奈さん?」
まだ眠っている、寝息を立てたと思いきや立てなくなり、また立てる。
本当は立てなくてもいいらしいのだが立てていると少しだけ、なぜか安心するのだった。
「……りょう?」
青い目と赤い目を細める、まだ酔ってる感覚が忘れられないのかお酒を飲みたそうにしていた。
「お酒は夜になったらだよ?俺も花奈さんも学校あるし……」
「むぅ……。」
少し不満そうである。
「夜になったら、続きしよう?」
「する。」
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