花奈さんは本業以外に関しては器用貧乏説を推したい


「花奈!ゲームしよう!!」
 それは愛猫である幸子と戯れてた、ある休みの突然の事だった。
「さっちゃんと戯れてないで早く遊ぼー」
 俺よりも少し背の高いめろんは軽い俺をひょいと抱き上げて自室へと連れていった。
「珍しいな、あんたがアクションゲームやるなんて。」
「たまには花奈と遊びたいんだもん。」
 俺と遊ぶのが目的か……。
 めろんはぎゅっと俺の隣にくっつき、ゲームをぴこぴこと始める。
 すっかり俺よりも大人びたってのに、その楽しそうな顔はいつまで経っても変わらないな。
「花奈!操作はわかった?」
「はいはいわかったよ」
 俺はめろんにゲーム機を渡され、まぁ悪くは無いだろう手さばきでステージをクリアしていく。
「ゲームしてる時の花奈の顔すきなんだよねー」
 めろんがにやにやしているので俺は反射的になぜかと質問する。
「少し得意気な顔がかわいいんだ。」
 そんなにおかしな顔をしてるのだろうか。
 あとあんたにかわいいと言われたくはない。
「またまたー照れちゃってかわいいー」
「照れてない!」
 顔を熱くしながら、俺はゲームを進めた。

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