「いちごみるくのお酒なんてあるのか……。」
「花奈さん好きでしょ?」
「うん、いちごみるくもお酒も大好き。
涼、早くお酒お酒」
俺は少し気分をふわふわさせながら、グラスを涼の前に出す。
「そんなにせかさなくてもお酒は逃げないよ?」
涼は俺のグラスにピンク色の液体を注ぐ。
既にリキュールと牛乳は混ぜてあるみたいだ。
くいっと一杯飲むと、当然だが甘いいちごみるくの味がした。
「……おいしい、おかわり。」
「はいはい」
俺は二杯目も通常のペースで飲むが、半分になったところで微妙に酔ってきたのか、顔がほんのり熱くなる。
「ふふ、ほっぺもピンク色になったね。」
「せっかくだし、涼も飲むか?」
涼はお酒を飲んだ後にかわいく微笑み、俺の頭を撫でた。
「ほんとだ、おいしいね。」
明日は休みだし本当はもう少し飲みたいが、今回はほろ酔いでいいか。
「珍しいね、花奈さんから飲むのやめるなんて。」
「たまにはいいだろ、いつも真っ赤になるのもアレだからな。」
涼はいきなりなでなでとぎゅーをしてきて最後に頬にキスをした。
「……!?」
「ふふ、お酒を我慢したご褒美だよ?」
気付けば俺は顔が熱くなり目をそらす。
「嬉しそうな花奈さんを見ると俺まで嬉しくなるよ。」
少しとは言え酔っているのか、涼のかわいい微笑みが余計に綺麗に感じる。
「ほろ酔いも……悪くはないな……。」
俺は少し甘えたくなり、涼によりかかった。
「……抱っこして。」
やはり酔うと本音が出るらしい。
「花奈さんは抱っこが好きだもんね。」
涼にぴったりとくっつき、体温で少しずつ眠くなる。
「くそ……あたたかいから…………ねむ…………」
そのまま花奈さんはころんと寝てしまった。
呼吸が規則的に途切れているが、寝落ちする時はいつもこうである。
本人曰く、ちゃんと呼吸はしたいがたまに忘れるらしい。
「よしよし……。」
密着した大きな柔らかい胸と格闘しつつ俺は花奈さんを2人のベッドに寝かせる。
2人のと言いつつ実は一人用だがそれは彼女の要望だ。
頭を撫でて、俺も夢の世界へと向かう。
「おやすみ、花奈さん。」
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