「……りょぉくん。」
すっかりできあがってたのか、花奈さんは顔を赤くして、ぼんやりした口調で俺の名を呼ぶ。
「花奈さん?」
少し目線を合わせしゃがんだ瞬間に花奈さんは抱きつき、キスをした。
「ひっく、おれのすき……とろいれるか……?」
とろんとした、青と赤の綺麗な瞳で見つめられる。
青い瞳には不安が映り、きゅっと花奈さんを抱きしめた。
「届いてるよ?
こんなかわいい女の子に好きって言われたら
絶対に付き合っちゃうもん。」
「そう……か……。」
俺はグラスに残ってたお酒を飲むと、酔ってきたのか花奈さんを強く抱き締めた。
「りょぉくん?少しふらふらしてるけろいいのか?」
「いいの……はなちゃんとおそろいだね……っ」
涼は俺にすりすりと頬を寄せる。
俺よりもお酒に強いはずなので、酔っている涼はかなりめずらしい。
「こんなにまっかになって……そろそろおれもねなきゃ……ひっく」
「もうねちゃうの?」
それは普段なら俺が言うセリフである。
「りょぉくんもこんならし……おれもふらふらしてるし……っ」
花奈さんは立ち上がろうとした瞬間によろける。
千鳥足でふらふらと寝室に向かう姿はとても愛おしかった。
「そうだね、つづきはベッドでしようか。」
花奈さんよりはまだ酔ってないのか少しよろけそうになるもなんとか普通に歩けた。
ベッドにぽすりと座ると本当は寝たくなかったのか、ふにゃふにゃと俺に甘える。
「こんなにとろとろになっちゃって、かわいいなぁ。」
「りょぉくんもとろとろ……ひっく」
頭を撫でられると、花奈さんは俺の膝の上にころんと寝転がり、まどろみ始めた。
「えへへ……よったりょぉくんかわいいの……。」
気付くと、花奈さんは幸せそうにすやすやと寝ていた。
二人してこんなに酔うのは珍しく、花奈さんもそれを少し期待してた事もあったなぁと思い返す。
「たまには、こういうのもいいかもね。」
花奈さんが寝ているため、俺は座りながら寝るしかなかった。
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