「天使って、不老不死なんだっけ?
心臓を抉られない限り生きてるんだっけ?」
「そうですね。」
「……お前が怪我してるの見ると、この世の終わりみたいに見えちゃって、怖くなって、死んで欲しくなくって…………ははっ、まるで呪いみたいだぜ。」
そんなことない。
「永遠に解けない魔女の呪い、最悪だな。」
呪いなんかじゃない、最高のまじないだ。
「なぁ、魔女が死ねば呪いは解けるんだよな?」
まさか
「黎羽、今までありがとう。」
彼女は私の手を振り払い、呪文を唱える。
「やめて……」
彼女の回りを何かが包む。
「……自ら願ったこの身体を、憎むようになるとはな。
いや、最初から憎んでいたっけ?望まずに得たこの身体を。」
何かは剣でも切れず、私は何も出来なかった。
「大好きだよ、黎羽。」
そう言った瞬間、叫びも虚しく 彼女は何かにぐしゃりと飲まれたのだった。
……
なんて目覚めの悪い夢だ。
月魅なんて魔女、一度も出会ったことも無いのに、どうしてあんな夢なんか。
あれ、どうして、泣いているんだ?
なんで、こんなに、苦しいんだろう。
あんな夢なんかで、なんで。
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