甘えるオレに対して、黎羽は何も言わずに抱き返している。
「…………れいは。」
名前を呼ぶだけで胸がきゅんと締め付けられた。
「ふふ、どうしましたか?つぐみちゃん。」
脈が少しずつ早くなって行く、名前を呼ばれた途端に顔がかぁぁっと熱くなる。
「…………なんでもない。」
「なんでもなくなさそうですね?」
「べつにいいだろ。」
「好きで好きで仕方ないんですよね?」
「そそそ……そんなわけ…………。」
黎羽がぎゅっとオレを抱きしめる。
好きな男に抱きしめられただけで、なんでこんなに幸せなんだろう。
「あ、脈が早くなった。」
「おまえのせいだよ…………。」
耐えきれずにオレは黎羽と唇を重ねる。
「やっと素直になりましたね。」
「…………まだたりない、もっとれいはとすきすきしたい。」
オレは残ってたワインをぶどうジュースで割らずに飲み、泥酔してしまったらしい。
何をしてたのか全然覚えていなくて、激しい頭痛がオレを襲う。
「……二日酔いに効く薬どれだっけ。」
オレはぼんやりとした意識の中で、薬を探すのだった。
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