「れいはぁ……ひっく。」
顔と耳を真っ赤に染めた、お酒くさい彼女はふらふらしつつも、デレデレと甘えてきた。
「れいはしゅきしゅき~」
呂律の回らないふにゃふにゃした喋りで、すりすりと頬を寄せてくる。
相当酔っているなと思いつつ、甘えん坊な彼女は珍しくて、愛おしかった。
「…………なぁ、れいは。」
「どうしました?」
ちゅっ
「…………れいはは、おれのことどれくらいすき?」
彼女はワインをグラスに注いで私に渡す。
「むりにとはいわないけろ…………**のんれ。」
「はいはい、酔うまで何杯飲ませる気ですか?」
「……まほーをかけたから、いっぱいれ かなりよう……ぜ?」
かわいい彼女のお願いには勝てずに、私はワインを喉に流し込んだ。
「……れいは?」
黎羽は顔を赤くしてオレを優しく抱きしめる。
「つるみひゃん……ひっく」
なんとか立てそうだが、予想以上にかなり酔っているようで呂律が全然回っていない。
「なぁ、れいは。」
「ろぉひまひたかぁ……?」
「……おれと、えっちしよ。」
黎羽は少し悩んだ後にオレを寝かせて子守唄を歌った。
「……まだねむくないもん。」
本当は少し微睡み始めたが、酔ってる黎羽をもう少し見たくて仕方がない。
「よいこはもうねるじかんれすよ~?」
黎羽の体温があたたかい、ねむい。
「れいはぁ……。」
オレがきゅっと抱きつくと、黎羽は優しく、ぎゅっと抱きしめた。
だめだ、酔ってるせいであたたかくなってて、完全に眠……
彼女は幸せそうに、甘えたまま寝てしまった。
そうだ、どのくらい好きか言ってなかったなぁ。
でも、こんなに酔ってたら彼女の記憶も吹き飛んでいそうだから、明日、酔いが醒めてたらちゃんと答えを言おう。
それにしても、かなり酔っているらしく、下手してたら一夜を明かす所だった。
彼女のあたたかさでこっちまで眠くなってしまったようで、今日はソファで眠ることにする。
「……黎羽、おはよ…………え!?」
黎羽までここで寝てるって大丈夫か!?
激しい頭痛をなんとか堪え、ぼんやりした記憶を遡ろうとするが何も思い出せない。
黎羽は二日酔いのオレを抱きしめて優しく頭を撫でた。
頭を撫でられるのは好きではないが、黎羽に撫でられる事に関しては本当は嫌いではなかったりする。
でも、いつものようにオレは黎羽の手をどけた。
「おはようございます、世界一……いや、宇宙一大好きなつぐみちゃん。」
「ななな、なんだよいきなり!
昨日なんか変な事したのか!?
お前まで酔うなんて……。」
「……酔ってみるのも、案外悪くないですね。
幸せな時間でしたよ。」
だから何があったんだ?
オレは高鳴る鼓動を抑えきれなくて、黎羽に甘える。
「オレも、黎羽が好き……。」
「えぇ、私もつぐみちゃんが好きですよ。」
二人は距離を縮めて、そっと唇を重ねた。
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