無題2

「お前が村の奴らの言ってた妖怪か?」
 でかい図体に少し怯みながらも、オレは黎羽より1歩前に進んだ。
 最初に攻撃が飛ぶがオレは咄嗟に黎羽をかばい、バリアを張る。
 やはりと言った所か、でかいからか動きが鈍いようだ。
「あいつらじゃ歯が立たないらしいからな。
オレが遊び相手になってやるよ。」
「……つぐみちゃん、本当に大丈夫ですか?」
 黎羽がオレを心配するが実際、出始めの怪異だからオレくらいの魔女なら余裕で潰せるだろう。
「大丈夫に決まってんだろ?
こんな雑魚、三秒で片付けてやるよ。」
 次の攻撃をしようとしている隙を狙い、オレはにやりと笑い素早く魔導書を取り出した。
「ダイナマイトと花火の申し子を敵に回したのを死んで悔やめ!!
行くぜ!『イグネース・フェスティー』!!」
 有言実行でオレは、魔導書に1秒で魔法陣を描き、1秒で魔法発動、最後の1秒で激しい花火の音と共にそいつは綺麗な花火となった。
「さすがつぐみちゃんですね!すごいです!」
「そ、そんなに褒めるなよ!」
 オレは、黎羽に褒められ、頬が熱くなるのを感じる。

 あぁ────もう。
 最後まで、『かっこいい魔法使い』でいさせてよ。

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