無題23

「れいは、おれのこと……みてる?」
 彼女は少しとろんとした瞳でじっと私を見つめる。
「ちゃーんと見てますよ?」
 私の方から、彼女を抱きしめて唇を重ねる。
 彼女は顔をさっきよりも赤くして、恥ずかしそうな、力の抜けた笑顔になった。
「い……いきなりは、はずかしいから…………さ?」
「うふふ、おかわりどうします?」
「……のむ。」
 ワイングラスにぶどうジュースとワインを半分ずつ注ぐと、彼女はすぐに空にした。
「れいはぁ…………。」
 さっきよりも瞳がとろとろになった彼女は、私に寄りかかり、気持ちよさそうにまどろんでいた。
「そろそろ寝ますか?」
「んー…………ねむくない……おかわり…………。」
 と、言いつつ声は明らかに眠そうだ。
「たまには立てなくなる前に飲むのをやめましょう?1人の時はどうしてたんです?」
「…………すみっこれ、ねてた?」
「そうします?」
「やらぁ…………れいはとふたりがいい……。」
 ふらふらと立ち上がれたが相当な千鳥足だったので、私はお姫様抱っこをして寝室へと向かった。

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