ある日の事。
黎羽は笑顔でオレに風鈴の入っている箱を渡した。
「プレゼントです、花火好きでしたよね?」
夜空に似た色の風鈴には、花火と満月が描かれていた。
「……ありがとな。」
「いえいえ、もう片手に持ってるのも見せてくれますか?」
ぎく
黎羽はオレに渡されたもうひとつの箱を見ては、花火のように満面の笑みを浮かべる。
「わぁ、かわいい……。」
「い……言うなよ、恥ずかしいから!」
「ふふ、ありがとうございます。」
黎羽はくすくすと笑い、風鈴を大事そうに抱き抱えていた。
「……なんで同じとこにやってんだよ。」
「なんで別々がいいんですか?
離れ離れだと可哀想じゃないですか……。」
「一緒だと見てるこっちが照れるじゃねぇか!
その……オレと黎羽みたいで……さ。」
「じゃあ、あの風鈴みたくくっつきましょうか。」
黎羽はオレを膝の上に乗せて、ぎゅっと抱きしめる。
「私だってたまには甘えたいんですよ?」
甘える黎羽にすっぽりと包まれたオレは、少しずつ黎羽の甘いにおいでふわふわと酩酊する感覚がした。
風鈴の音も合わさり、気付けばオレは夢の世界にいたのだった。
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