「ヒェッ!?」
地下を歩いていたら、どこか異形にも見えるネズミがオレの前を通り過ぎた。
そりゃみんな怖がるだろうよ…………。
黎羽も迷子だし、もうさっさとサンプル取って終わらせなきゃ。
オレはさっきのネズミに追跡魔法をかけたが黎羽にもかけときゃよかったと後悔した。
こんなとこ一人でいたら黎羽だって怖いはずだ。
今頃どこかで泣いてるんだろうな、ごめんな黎羽……。
巣らしきところは見つけたがそこを直視できる勇気なんてなかった。
そもそも、さっきから一歩も進めない。
というかオレは立てているのか?なんでこんなに震えてるんだ、十五夜月魅はこんなにビビりじゃないはずだ。
頬を雫が伝う、震えた声で何度も黎羽の名前を呼ぶ。
「……つぐみちゃん、キメラネズミさんは全員退治しましたよ。」
黎羽は優しくオレを抱きしめる。
嬉しいはずなのに、こんな泣いてるところ見られたくないのに、なぜか涙が止まらなかった。
「……立てなくなってるんで抱っこで行きますね?」
結局、今日はいいとこを見せられずに終わってしまった。
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