「れいはぁ……。」
耳まで赤く染めたつぐみちゃんはぎゅっと、私に抱きついた。
隣には空になった甘いチューハイの缶が三つ並び、明らかに泥酔して立てなくなったのだと悟ったが、それがかわいらしかったので少し意地悪してみたくなる。
「どうしたんですか?また立てないんですか?」
「またとかいうなよ……ひっく、たてるにきまっれ……」
つぐみちゃんは立ち上がろうとしたがふにゃっと座り込んでしまった。
「ふえぇ……れいはぁ……。」
やはりと言ったところか、半泣きで私に助けを求める。
「立てなくなったならそう言ってくださいよ……。」
私は涙目のつぐみちゃんをそっとお姫様抱っこした。
宿を探していたがつぐみちゃんが明らかに如何わしい気配の宿を見つけてしまい、仕方なくベッドに入る。
結局つぐみちゃんは睡魔には勝てずに、ぎゅっと私に抱きついてすやすやと眠ってしまい何も起こらなかった。
明日はきっと、何故襲わなかったかって言われるのだろう。
……いや、それとも、何も覚えておらず顔を真っ赤にして誘って来るのだろうか?
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