指切りげんまん、次は本気で!
「あっ、りょーかちゃん」
へらりにこりと嬉しそうに笑った萩。なんでそんな呑気な顔が出来るんだ、なんて信じられない気持ち半分、あの時の怒りの感情半分。
「っの!バカ萩!」
パンッ、なんて乾いた音が響いて流石の陣平も唖然。「涼香!」なんて私を呼ぶ声も無視して、ベッドの上で座っている萩に掴みかかる勢いで噛み付く。
「アンタさぁ、無茶するなって私、何回も言ったよね!?なんでそんな無茶する訳?ちゃんと対爆スーツ着ろって、私……っ、バカ!アホ!死にたいの!?」
「ち、ちょ、涼香ちゃん」
「落ち着け!一応ここ病院だし、こいつ怪我人だぞ!」
二発目を食らわせようとした勢いに気付いたのか、陣平に羽交い締めにされズルズルと萩から距離を取らされる。
騒ぎに気付いた看護師さんに注意をされ、少し頭が冷えた。ああ、私ってば病院で何してんだ……。
「涼香ちゃん。ごめんなぁ…もうしねぇって約束するからさ。今回は許してくれよ」
「それ、何回目よ……!もう…、次は一発じゃ済まないからね」
「おう。ぜってぇに守るから、ほら。指切りげんまんだ」
差し出された萩の小指に自分の指を絡めて指切りげんまん。次約束破ったらただじゃ済ましてやらない。
「萩、こいつのグーは俺の親父仕込みだから痛ぇぞ」
「あ〜……そうだったわ。俺、もしかして絶対破れない約束した?」
「約束は!破るな!」
ギャン!と吠えればドアの方から先程の怖い看護師さんがジィっとこちらを見つめていて、思わずペコペコと頭を下げる。
もう、萩のせいで怒られた!腹いせにまだ痛いって言っていた傷を軽くつついてやるのだった。
back ┊︎
next
top