04
吟味する価値もない。そう言い切ってアルバス・ダンブルドアを見つめ返せば少し面を食らったような顔をしていて私は小さな優越感を覚えた。
大魔法使いと名だたる彼と対等に話すことは、どうやら出来ているらしい。
「家業に差し障るというなら僕の学校問題など考慮するに値しません。それに、校長はご存知でしょう?僕の素性を。」
「あぁ、知っておるよ。」
「知っているならなおさらだ。僕はこの秘密〈女であること〉を大衆に晒すわけにはいかない。」
女だとバレれば、爵位を剥奪され当主としての品格も落ちる。なら私はそれをどうしても回避しなければならない。このどうしようもない私の弱みを晒す危険があることをする訳には行かない。
「君に紹介しよう。セブルス・スネイプ教授、スリザリンの寮監をしておる。」
隣で今まで話を聞いていただけだった蝙蝠のような男がゆっくりと口を開き、名前だけの簡素な自己紹介とともに手を差し出した。差し出された手を握り返し、返事をするとまたアルバス・ダンブルドアが言葉を続ける。
「決めつけるわけではないが恐らく君はスリザリンに組み分けされるじゃろう。あの寮は年功序列よりも家柄が重視される。君に手を出す輩はまずおらん。そして君は男としての生活を望んでおる。女としてではない。」
「へぇ。まぁ、そうですね。」
余りにも簡単に人の秘密をペラペラと喋るダンブルドアに苛立ちを覚えながらも先を促すと悪戯っぽく微笑み、
「男は女子寮に入ることはできんが逆も然りという訳ではないのでの。それは可能じゃ。
家業を続けたいというなら特別に部屋も用意しよう。」
「……何が目的で?」
「なに、儂は平等に学びの場を提供したいと考えておるだけじゃよ。スネイプ教授にサポートを頼むこともできる。
君はまだ子供じゃ、そう大人になる事を急ぐ必要は無いんじゃよ。」
「……分かりました。入学についてはもう一度吟味しましょう。ただし、1つ条件があります。」
「なんじゃね?」
三日月眼鏡の奥でアイスブルーの目を瞬かせてダンブルドアはこちらを向き直した。
どうやらその返しは予想がついていたらしい。
「お二人には破れぬ誓いを立てていただきたい。」